うおーつかの間の休息という感じです。
きょうはだらけると決めたのですが、あと1時間半でそのきょうも終わってしまいます。
切なし。いろいろと書きたいことはあるのですが、書くのが遅いので。
さくっとこないだまでやってたロトスコーピングの授業について書きたいと思います。
ロトスコーピングとは実写で撮影した被写体の動きをトレースして、アニメーションキャラクターの動きをよりリアルな人間に近づける技術です。
わたしもわかりきっているわけじゃないので、いろいろと間違ってたらごめんなさい。
いまではモーションキャプチャという、実際人間の関節にセンサーを付けて動作を解析・数値化する技法が発達しているので、格闘系・スポーツ系のゲームなんかは主にそっちが使われています。
が、ロトスコーピングの歴史は1919年に既に始まっているのです!びっくり!
当時のロトスコープは当然アナログで、1フレーム毎にトレースしていたようです。
わかりやすい画像があったので拝借。
デジタルでも果てしない作業なのに、全部手書きなんて死んじゃう。
開発者のマックス・フライシャーは1920年代、初期ディズニー唯一のライバル。
フライシャースタジオはロトスコープもさることながら、映画界がトーキーに移行し始める前に音声を付けたアニメーションをリリースしていたりと技術面でのパイオニア的存在だったように思えます。
彼らの代表作の一つが「Betty Boop」。
ディズニーの代表的な女の子キャラクターがミニーマウスだったように、それまでのアニメーションは女性の外見を忠実に描くことはなく、ベティちゃんのセクシーな見た目とダンスは当時とてもセンセーショナルだったようです。
彼女の柔らかい女性的なアニメーションはロトスコープあっての技。
音楽に合わせて踊るモデルを実写で撮影するので、音と動きも綺麗にシンクロしてますねー。
ちなみにベティは1934年にアメリカで導入されたヘイズ規制(商業映画の道徳規制)で露出を制限されたり、配給元のパラマウントからディズニーを模倣するよう指示されたり、その本来のキャラクターを喪失していかざるをえなくなったそう。
映画はいつの時代も不本意な敵に振り回されている感じがするよねえ。
まあ結局ロトスコープも世界的に認知されるようになったのは1937年の「白雪姫」から。さすが天下のディズニー!
アニメーションはまだ当時子ども向けの短い作品が多かったところを、ディズニー自身初の長編アニメーションに踏み切ったわけです。そしてそのほぼ全てがロトスコープを使ったトレース!果てしない〜!
おそらく当時も24fpsなのかな?83分で約12万枚くらい?ひゃっほー!
実写撮影の様子がこちら。
白雪姫の指の先まで神経がゆき通ったような動作はこのモデルから生まれているのね。
結局いいものをつくる近道なんてないということか〜と思っていたら、面白い記事を発見したので引用させて頂きます。
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〜〜〜「ロトスコープ」というものの考え方自身がその価値観をよく表している。
現実に存在しないものをリアルに見せようとする根性はSFXにも通じるアメリカ独特のものかもしれない。
これに対して日本のTVアニメは1秒間に8枚しか使えないリミテッドアニメだ。
ディズニーのアニメーションが1秒間に24枚なのと比べて、どうしてもカタカタカタカタと不自然な動きになる。動きをリアルに、とかロトスコープとか以前の問題だ。
もともと日本のTVアニメは、昔は「TVマンガ」と言われていた。少年誌に連載されているマンガをTVで動かします、が目的の作品だ。
当然、制作現場への注文も「リアル」よりもマンガの絵をそのイメージのまま動かすことに重点が置かれた。
マンガの絵はデッサンとは違う。たとえば、人間の顔は必ず斜め右か斜め左のいちばんかっこいい角度からかっこよくデフォルメして描く。決して中途半端な角度から描いたり、真正面から描いたりはしない。
そのかっこいい斜め右向きの顔から、斜め左向き顔までをできるだけ変にならないようにつなぐのがTVアニメの課題になった。
鉄腕アトムの角がどっちを向いても必ず二つ見えていて、決して重ならないのは有名な話だが、これも同じポリシーに基づいている。
日本のアニメはアメリカのように立体物を想定して、それを正確に動かそうとする方式とは正反対なのだ。
このアメリカと日本のアニメーションに対する考え方の差は、スローモーションで見ることによって、具体的にはっきりわかる。コマ送り、という家庭用ビデオの進歩がそれを可能にした。
たとえば、重いものを持ち上げるシーン。
アメリカのアニメーションなら、実際に人間が重いものを持つとき、どんなポーズをとっているのか、1/24秒ごとに把握する。
膝の角度と開き方の関係は?踵はどの位置まで持ち上がっているか?どの筋肉を使い、どれぐらい膨らむか?
ロトスコープまでしなくても、こういった解剖学的な正確さが重要になる。
それに比べ、日本のアニメは違う。
持ち上げようとするとすぐには持ち上がらない。この、持ち上げようとしたまま止まっている1秒ほどの描写が「重い」を表現している。そのあとゆっくり持ち上げる。途中で止めたりすると、いかにも重い感じがする。
アメリカのアニメーションがとにかく「動き」を表現するのに対し、日本アニメは「止め」で表現する。西洋の演劇が「バレエ」という動の文化に進化していくのに対し、日本の演劇は「能」という静の文化に進化していった。国民性とも言えるかもしれない。
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もちろん日本のアニメが近道してる!なんて絶対に思わないけど、見せ方の差は明らかだよね。おもしろいねえー。
最後にわたしが学校のエクササイズでちらっとつくったロトスコープのっけます。
わたしたちはアニメーションはつくらないから、マスキングして合成する練習。
ベティと白雪姫の後にこんなふざけたもんのっけてごめんなさい笑。
出演はおともだちのえしぇるちゃんです。
来週からミュージックビデオのプロジェクトが始まります。
学校外でもいくつかミュージックビデオをつくる予定。
えしぇるちゃんに不満を言うわけではないですが笑、ちゃんとした作品をつくる際には身体を使える人に出演してほしいね笑。
いよいよイギリスでダンサーの知り合いがほしくなってきた!日本ならいっぱいいるのになーあ。
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