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2014-04-17

子育てしながらクレイアニメ![2.ストーリーボード制作]

全体のおおまかな流れが決まったら、細かいカット割りに入ります。
今回は人形が踊るので、ダンスの振り作りをしてからカットを考えました。
雑ですが、ストーリーボードはこんな感じで書いています。



上から歌詞・カウント(振り付け用)・ショットサイズ・カメラの動き・振り付け・フレーム数 を記しています。
ダンスがあるので書く事がなんだかとても多くなってしまいました。
こんなに書くことがないときは無印の4コマノートを使ったりしていました。
スッキリしてて使いやすいです。
撮影はだんなさんに協力してもらって進めるので、イメージの共有という意味でも、思考の整理整頓という意味でもストーリーボードは必須です。。。大変だけど空いてる部分がないように、一曲分書いていきます。
これを書き終えるとだいたい人形がどういう動きをするのか、小道具はなにが必要か、など諸々が明確になってきます。

人形の撮影でいちばん大変なのは、人形の固定です。次に環境の維持かなあ(カメラ位置/角度、照明など)。
いちばん始めにカットを割っていくときは、なるべく撮影のストレスを軽減すること・すべてを固定しすぎて画に飽きがこないことのバランスを考えます。
夢を見すぎてもいけないし、見なさすぎてもいけないのが難しいところ。。。
せめぎあいですね。

2014-04-07

子育てしながらクレイアニメ![1.テーマ&構成]

この度の「クレイアニメをつくる」シリーズはこちらの作品を元に記していきます。



友人の結婚式用に制作したものです。
ちなみにこちらはクレイアニメ二作目ですが、一作目も自分たちの結婚式用に制作した生い立ちムービーだったので、脚本があるものは作っていません。
脚本に沿って制作するアニメーションとは勝手の違う点も多々あると思います。
次作は脚本書く予定。また違う壁にぶち当たるのだろうな〜と思いつつ、今回はとりあえずこちらのダンシングムービーを制作する過程をご紹介したいと思います。

今回のテーマは友人たちより「バナナ」とだけ頂いてました。
バナナ好きのちょっと風変わりなデザイナー夫婦が開く、おしゃれバナナ結婚式。。。
最初はEテレの「デザインあ」をイメージしたもっとニュートラルな映像にしようかと思ってました。デザイナーっぽく。
イントロのミニバナナが形を変えるシーンはその名残ですね。
細かい流れは覚えてませんが、バナナたちが二人の結婚式へ向かってひたすら行進→二人がバナナたちを引率しよう→一緒に踊りながら結婚式へみたいな感じでここにたどり着きました。
編集の技術は大してないので、間延びしない「デザインあ」は無理かなーって。。。地道な作業を頑張ることにしました。

なんとなーく方向性が定まってきたら曲探し。
オリジナルで音を付けられるようにならないと、いつまでたっても公に公開できないのですが。。。とりあえず今回は時間もないし内輪の結婚式ということで人様の音楽をお借りすることに。
楽しげな行進曲っぽいイメージで探していて、こちらのサキソフォビア&ドリームキッズの「パレード」に巡り会いました。
んで、曲に合わせて全体の流れをなんとなーく起承転結っぽい感じに。。。
今回でいうとこんな感じ:

INTRO→導入
VERSE1&CHORUS1→登場人物紹介
INTERLUDE→結婚式へ
VERSE2&CHORUS1→行進
BRIDGE→挙式
CHORUS3→フィナーレ

各場面に短いタイトルをつけると整理しやすいよね。

ということでテーマ&構成の決定まではこんな流れです。
完全に自己満足の覚書なので悪しからず。。。
脚本がある場合はここから脚本書き始めますが、ないのでここから振り付け作り&細かいカット割りに入っていきます。
んーーーーーーー大変だ!

2014-04-06

子育てしながらクレイアニメ![INTRODUCTION]

さて、約1年半ぶりにこのブログを更新してみようかと思います。
ロンドンで映画制作の勉強を終え、帰国→結婚→出産を経て、今は東京で1歳の娘を育てる25歳の母です。
映画が撮りたい!が、やはり娘を蔑ろにはできない。。。ともんもん悩んだ結果、自宅でクレイアニメに挑戦してみることにしました。
昔から興味はありましたが、知識も技術もゼロなので試行錯誤の連続でした。
色んな方のブログを拝見したり、本をめくってみたりしましたが、実用的な情報が少ないな〜というのが正直な印象だったので、どこかの誰かの助けになれるかも。。。?と思い、覚書も兼ねてこちらに記録しておくことにしました。
素人の完全なる自己流ですが、興味のある方はご覧頂けると幸いです。

書き記していく中でたくさん変更点はでてくると思いますが、とりあえずこんな感じの内容で少しずつ更新していきまーす。

1.テーマ&構成
2.ストーリーボード制作
3.人形制作ー芯
4.人形制作ー粘土
5.人形制作ー衣装
6.小道具制作
7.セット制作ー土台
8.セット制作ー背景
9.撮影準備ー香盤表
10.撮影準備ーカメラ&ライティングなど環境整備
11.撮影!
12.編集ーフォトショップで画像レタッチ
13.編集ー動画制作
14.オーサリングーDVD焼付け


果たしてちゃんと書き終わるかな?
頑張るぞー!では、今日はおやすみ!

2012-12-11

[FILM]希望の国

希望の国を観た。
この国に本当に希望なんてあるのか。
「一歩、一歩、」一歩どこへ向かえばいいのか。
絶望が果てしなく広がって、「愛があるから大丈夫」なんて思えなくなってしまった。
園子温はこの映画を見終わった日本人の心に何を残したかったのだろう。
直接的なエロさもグロさもないけど、希望の国は園子温作品の中で最も残酷に心を抉る作品だった。


更地を包み込むように積もる美しい雪がそこで起こった悲劇を覆い隠そうとしているようだと思った。
そのすぐ後に「いつまでもへこんでいても仕方ない!前を向いていきましょう!」という押し付けがましいセールスのようなトーンで根拠のない希望をまくしたてるキャスターのシーンを見て、現実で静かに確実に進行している問題を無理矢理過去の出来事にして覆い隠そうとしているのは他でもない日本人だと痛感する。
メディアも政治家も、何もできない国民も恥を知った方がいい。

わたしたちは目で見えるもの、わかりやすいものには大きく反応する。
特に日本人は批判に対する能力は長けている。総選挙関連の発言も批判が大半で、自身の信条を明言して進みたい方向を示すような発言は少ない。もっとも、それが難しいことだというのは肌で感じているけれど。
それでも批判能力に長けている日本人のくせに見えない放射能や溢れる情報に対応できないままなのは、なんて浅はかなんだろうと思わずにはいられない。
放射能が目に見えて、針のように空から絶え間なく降り注いでいたら正気ではいられないだろうに。それなのに何事もなかったかのように日常生活を送るわたしたちは、想像力の欠如と事なかれ主義の究極体なのではないかと思う。

「これは見えない戦争なの。弾もミサイルも見えないけど、そこいらじゅう飛び交っているの、見えない弾が!」

大切な人が一人でもいる人なら、これが最も正常な反応なのかもしれない。
お子を授かった今、わたしは福島には住めないと思うし正直東京がどんだけ安心なのかも怪しいもんだと思う。
日本は大好きだけど、逃げられるならわたしはこの国から逃げたい。



一方で、神楽坂恵演じるいずみは授かった赤ちゃんの命を守るため、目に見えるものに頼っていく。 ガイガーで数値を測り、ビニールで部屋を覆い、宇宙服みたいな防具で外気から身を守る。
先述の通り、大切な人がいる人ならこれが正常な反応なんだろうなと思う。
ただそれは本当に悲しい程微力で、一時的な抵抗でしかない。最後のシーンでは、響き渡るガイガーの音になんて脆いシェルターにすがっているんだろうと心が痛くなる。

国も、個人もこうしてその場しのぎの選択を積み重ねてきた結果がいまです。
わかりやすいものに手を伸ばして安易な安心を得ようとしてきたことは、日本人全員が背負うべき罪だと思います。
たくさんの政党が乱立していて、難しい言葉ばかり並べられていて、特に原発の問題に関しては果たして何人の政治家が理解しきっているのか疑わしい。そうなったらさいこーだよねと思うような綺麗なことばかりを唱える政治家もいるけど、実現できるのかはかなり怪しい。専門家ですら複数論議を展開する問題に対してわたしたちがどこまで正しく消化できるのかは、正直厳しいものがあると思います。
以前にFBでシェアしたムヒカ大統領のスピーチをもう一度シェアします。

リオ会議でもっとも衝撃的なスピーチ:ムヒカ大統領のスピーチ

力が及ばないにしても大切なのはその場限りではなく、根本的に問題と対峙すること。
自分の大切な人が安心して生きていられる世の中とはなんなのかと個々人が考えることだと思います。
「愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。」
わたしは景気が悪くても幸せな子どもを育てることはできると思うけど、放射能が降り注ぐ中で幸せな子どもを育てられるとは思えない。
抑える能力がないのならば、使うべきではない。と当たり前のことを声を大にして言いたい。当たり前のことなのに、忘れ去られていっていると感じるからです。
日本人の心は疲弊していると感じます。
もちろん全ての問題を解決してくれる政党がいたら超ラッキーだけど、そんな政党はいまのとこないように思えます。
人様の決断にどうこう言う権利はないけど、そういう状況で「景気回復」を最も重視する国民が多い現状がわたしは悲しい。
もちろんそれぞれの事情があることは確かなので、わたしが正しいとは決して思ってないけど、希望の国を観て全員が根本的な問題の解決を図るための自分の信条について考えるべきだと思います。
希望があるとしたら、そうした行動の先。
真に豊かに生きることができていると感じられた時だと思います。
ムヒカ大統領のスピーチも読んだらいいと思います。
ついでにこのぞっとする画像を。。。



長くなりましたが、今週の日曜日は選挙にいきましょう!ということで。
わたし選挙権ないけどー!

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希望の国
director:園子温
writer:園子温
cast:夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵
country:日本
http://www.kibounokuni.jp
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2012-09-30

Short Film 'ROGER' and Life

前回のブログ更新からまさかの半年経過。こんなはずでは。。。
4月頃から急激に忙しくなったのもありますが、人生の変化が目まぐるしくてついていくのに精一杯だったのです。
あれからミュージックビデオを2本作り、ちょっと働いたり、色々な作品をちょこちょこお手伝いしたり、合間に日本に帰ったりしていたら、まさかまさかお子を授かり、帰国が決まり、結婚が決まり。ばたばたとしている中、先日ようやく最後のショートフィルムの制作を終え、一年間通った学校を卒業したところです。うおー目まぐるしい!
現在妊娠5ヶ月。
15日の帰国に向けて、最後のロンドン生活を満喫しているところです。
ようやくこうしてゆっくりする時間ができて心から嬉しい。ビバ安静。

ぽっこりお腹を抱えて乗り越えた最後の作品制作には色んな思いが詰まっています。
検診に行って子供の姿を見る度、正直身体を犠牲にして作品制作に注力することに疑問を抱いたりもしたけど、完成させることができて本当に良かった。
これを完成させなかったらわたしはきっと、自分の留学生活に納得しないまま帰国して幸せな新生活で誤魔化してなんとなく流してしまっていたでしょう。
そんなかっこ悪いまま母にならずに済んで良かった。
学校で6分のショートフィルムつくっただけでなに言ってんだよと思われるかもしれませんが、わたしはやっぱり自分自身が納得していない人生は生きていないのと一緒だと思う。
柔軟に生きていこうと思う反面、24歳のわたしにはまだ曲げたくないというところがあるのも事実です。バランスって難しいね。
しかもだから所詮学生作品なんだけどさ!笑。
まあでもそこは相対ではなく絶対ということで。
とにかくいい一年の締めくくりと、これから始まる新生活に続く一歩になったと思います。支えてもらった多くの方に、心からありがとうを言いたい。ありがとう!

ここまで熱い思いを書いといてなんですが、ショートフィルム自体はフェスティバルに出すか検討中なので公開しません笑。代わりにトレーラーを載っけときます。見てね:D

今回もお話考えて、監督しました。
わたしは監督になりたいと主張し続けてきたから、最後には自然に監督任されるようになった。やりたいことっていうのは人に話しとくもんよね。
まあでもとにかく、んもーーーーーとにかく!!大変だった!
協力してくれた人たちと同じくらいの量の人に邪魔された!
イギリス好きの人たちには申し訳ないけど、とりあえずしばらくイギリスで映画は作りたくないっす。わたしはこの国で作品制作しかしていないと言っても過言ではないので、楽しい部分はほとんど見ていないと思うの。だから、イギリスがだいっきらい!そう、だいっきらいです!!!はーーーーーーーーすっっっっっっきり笑。

この一年間を絶対この先に繋げないとと焦って始めた留学生活だったけど、今はそういう焦燥感がなくなって、なにかしらの形では繋げていくだろうという不思議な自信もあります。母になっても映画つくりたい。
同じ人生の中で映画をつくりたくて、悠策くんと結婚したくて、子供が欲しくて、えそんなに詰め込めるの?っていう焦りもあったけど、いざ妊娠してしまうと良い意味でわたしはここからそれを実行してくのよという覚悟もできました。
人生が変化していけばつくりたいものも変わっていくだろうし、培ったものはなくなることもなくて豊かになっていくことは間違いがないから大丈夫。
しばらく子育てしながら脚本書きためて、ここじゃ!!と思ったときにつくり始められるようにがんばろうと思います。
不安もたくさんあるけど、幸せな人生になる予感しかしない!
たくさんの人に会って味わってきた挫折や達成感や、あほなイギリス人やまじかよっていう海外の珍体験や、色々な経験をおもしろおかしく話してやれる母になりたいと思います。

15日にロンドンを発ち、16日に東京に着きます。
帰ったらぜひ会ってください:)
ショートフィルムはそのうち公開できるといいなー。とりあえずトレーラー見てね。
残り二週間、ストレスフリーなロンドン生活を楽しみまーす!:D

2012-04-17

Terracotta Far East Film Festival 2012


とんとんとんとんとーーーーん!
と音が聞こえるくらいの急展開で参加することになったTerracotta Far East Film Festival。
刺激的すぎる、終始細胞が活性化しているような4日間でした。

Photo by Claire

ただのオーディエンスとして楽しみにしてたこの映画祭でしたが、突然の電話でビデオグラファーのお手伝いをすることになり、ロンドンにアジア映画を届けようと熱い活動を繰り広げるスタッフの方々と素敵な4日間を過ごすことができました。
ロンドンで豊田利晃と園子温が観られるなんて!
まだまだ小さいですが、ここにもマーケットは存在してるのです。
そしてそのマーケットを拡大しようと、ただただアジア映画が好きだ!という想いだけで活動しているイギリス人、アジア人がいます。日本人はいませんでした笑。
この映画祭はにちようび、華やかにその4年目を終えました。


16本のアジア映画、4人のゲスト、3つのマスタークラス、そして監督・役者・スタッフ・オーディエンスが混ざった自由なパーティー!
4年目のフェスティバルとは思えないくらい盛りだくさんなプログラム。
日本からは豊田利晃監督とでんでんさんがゲストとしていらっしゃいました。
ロンドンに来て半年になりますが、学校に映画の趣味が合う子は特にいないし、ましてや邦画を観ている子なんて会ったことなくて。ましてやましてや豊田利晃や園子温を知ってる子なんて。こんな風にイギリス人とアジア映画について話す日が来るなんて期待していなかったので、とにかく嬉しかった。
ロンドンの他の映画祭がどんな感じなのかはわかりませんが、この映画祭は本当に監督・役者・スタッフ・オーディエンスの距離が近い!という印象です。
パーティーではみんなでんでんと写真撮ったりしてました。

Photo by Yabukisan

わたしは中学生の頃に「青い春」を観て以来大好きな豊田さん会えて話せただけで、もうロンドン来てよかったーー!って感じでした笑。
映画祭3日目という体力的にピークな夜でしたが、誘ってもらって飲みにいってへろへろ!正直眠すぎてあんま覚えてませんが笑、幸せだったことだけ覚えてます。
一緒に飲みに連れてってもらった日本人の役者さんたち、フェスティバルプロデューサーさん、どう見ても麻原彰晃にしか見えないチャイニーズのガーフマンもとても愉快な方々で、最高な夜でした。

豊田さんとぱちり!

ガーフマン笑。でんでんさんが彼の顔をとても気に入って、描いた似顔絵が左のやつ。


映画は5本観ました。
中国映画や韓国映画に対するハードルが低くなったのもこの映画祭のおかげです。

My Way
director: Kang Je-kyu
casts: Joe Odagiri, Jang Dong-gun
country: South Korea

ひたすらオダギリジョーがかっこいいだけ!

One Mile Above
director: Du Jiayi
casts: Bryan Chang
country: China

雄大な自然が美しい。中国版Motor Cycle Diariesという感じ。

UFO in Her Eyes
director: Guo Xiaolu
casts: Shi Ke, Udo Kier
country: China

これ!期待してなかった分とても良かった。

Inseparable
director: Dayyan Eng
casts: Daniel Wu, Kevin Spacey
country: China

テンポの良い映画。ディテールが良いという印象。

HIMIZU
director: Sion Sono
casts: Shota Sometani, Fumi Nikaido, Denden
country: Japan

言葉が見つからない。そのうち別でブログ書きます。


こうして見ると中国映画が多かったのか。
というかお手伝いが決まる前からチケット予約して、一人で観に行く気満々で楽しみにしていた豊田監督のモンスターズクラブがまさかの豊田監督インタビュー撮影のせいで観られなかった笑。


Monster's Club
director: Toshiaki Toyoda
casts: Eita, Yosuke Kubozuka, Pyuupiru
country: Japan
日本では今週末公開です。観たい!


ヒミズについてはまた書きますが、心臓が揺さぶられました。
客席はほぼ満席。外人の反応が終始気になりましたが、オーディエンスアワードもとりました。


コクリコ坂からを抜いて一位だったのは内容的には当然だと思いますが、園子温がジブリという強大ブランドを倒したことが嬉しいね!
パーティーでの発表に喜ぶでんでん。

Copyright Kii Studios & Photography



なんだろう。
ここに集まった映画や人、昇華していくエネルギーみたいなものにとにかくやる気をかき立てられた4日間でした。
仕事的にはほんと大したこともできずに申し訳なかったんだけど、マイクとカメラを持ってそれこそ監督・役者・スタッフ・オーディエンスとこの映画祭に携わるすべての人と話す機会があったことが良かった。
撮影した映像たちはわたしをここに呼んでくれたMagnusがそのうち編集してくれると思うので、また載せます。空気が少しでも伝わるといいな。
映画が好きな人、映画をつくりたい人、フェスティバルを主催したい人、この先のロンドン生活できっと一緒になにかをつくり出せる人たちとのたくさんの出会いが、なにより大切な宝物になりました。
あしたからまた、頑張ります:)



2012-04-11

Dr Pepper, A Taste of Life



1月から始まったプロジェクトがようやく終わりましたーーー
約2ヶ月半かけた作品がやっっっっと終わるかと思うと、感慨深いです。
ほんと、やっっっっっっっっっっっとです笑。

この2ヶ月半で、本当にタフになりました。
元々タフじゃんて声が聞こえてくる気がしないでもないですが、自分の人生の中で最もサバイバル力が伸びた2ヶ月半でした。
これは決して目的ではないのですが笑、技術的なことよりなにより、「ロンドンで映像を撮ること」に対する力と自信がつきました。

一回目のミーティングの後、絶望的な状況に打ちひしがれ、革命を起こして自分の信念に基づいた制作をするか、学校のプロジェクトだと割り切って流れに乗っかり自主制作に専念するか、悩んで悩んでそして諦めかけた夜が本当に懐かしい。
同調してくれと言わんばかりに号泣するわたしの訴えに、しっかりしろって言ってくれた悠策くんの叱咤激励に心から感謝しています。
イタリア人とペルシャ人とルーマニア人とサウジアラビア人と日本人のわたしの5人で始めたプロジェクトは、いま放送してるコマーシャルパクろう!っていう方向に本当に最初進みかけたんです。
それは別にアイディアが浮かばないから苦渋の決断...という訳じゃなく、いまのコマーシャルかっこいいじゃーん!っていうノリです笑。
いま冷静になって考えればただのなんも考えてない集団なのですが、様子を伺っていたこの頃のわたしはこの子たちなりに何か考えがあるのかもしれないとか、コマーシャルは結構文化によってもアプローチが違うし、わたしの主張は間違ってるかもしれないとか思ったものです。ほんとかわいそうこの頃の自分。おつ。
そしてなにより、わたしはこの進みかけた話を引っくり返そうと思えるほど、自分の英語力に自信がなかった。
まあ当然いやいやオリジナルのめっちゃ面白いやつ作ればいいじゃんっていうところに落ち着いたわたしは、なぜこのまま進めたくないのかというお話と代案5案のストーリーボードを描いてなぜか自分のグループメンバー相手に大プレゼンをしました。
これがなければ、今頃は抜け殻のように生きていたと思います。
あの日の自分ありがとう。

いちばん最初に載っけたビデオが今回の作品です。
アイディア丸ごと使ってもらえました:)
彼ら好みのプロットを持っていったので、素晴らしい食いつきでした。結果みんな楽しんでくれたみたいで、わたしとしても満足です。
いい雰囲気の中で自分の作りたい作品をつくるっていう目的は達成されたと思います。
もはや面白いのか自分じゃわかんないんだけど笑、どうでしょう?
こっちのブラックコメディー的な感じで考えたつもりなんですが笑。
ドクターペッパーらしい作品がつくりたかったんです。
内容に関しては、普段自分一人じゃ絶対やらないことをやる機会になったので良かったです。と共に、ああ精進せねばと思いました笑。

結局プロジェクト通してプレゼン、プロポーザルの提出、ロケハン、料金交渉、役者集め、小道具集め、スケジューリング、機材準備などなど面倒なことは一切やらない外人たちなので、この時立ち上がらなければ、どうでもいい作品の雑用を一手にわたしが引き受けるはめになっていたということです。おっそろしい.......
ほんとにほんとに、仕事をしない仲間たちにも呆れたけど、せめて自分が本当に作りたいもののために頑張る2ヶ月半になって良かった。
こいつらまじでなんもしません笑。この話はただの愚痴になるのでやめます笑。
とりあえず、最初から最後までで全員集まったのはわたしが革命を起こしたミーティングだけ!待ち合わせしても2人来ればいい方だし、連絡もとれないことばかりでした。仕事を任せるなんて絶対絶対できません。
けどわたしは一通り経験できたので良かった。
臆せず役所に電話して撮影許可もらったり、交渉したりできるようになったことが地味に大きいです笑。英語に自信がついたわけじゃないけど、伝えたいことをうまく伝える術を学べた気がします。
これからのロンドンでの制作に大いに役立つでしょう。
なにも恐れずに一人で動けるようになったことが、このプロジェクト一番の収穫です。


信じられるのは自分だけです。
ずいぶん悲しい聞こえ方になりますが笑、ロンドンで成功している人の多くは結局その人自身が個として才能と行動力とやる気に満ち溢れているということです。
この街では本当に、待っていても何も起きない。
誰かがやってくれることなんて絶対にないと思わないと。
その誰かが自分なんだという自覚が不可欠です。
常に自分が全て請け負うんだという覚悟がないと、予想外の出来事にいちいち怯んでいたら全然前に進めないんです。ほんとに、ほんとにです。

日本に帰ったらまたそれはそれで違う困難に襲われるのだろうけど。
それでも人が時間通りに集まったり、お願いしたことがあがってきたり、そんな当たり前のことにとても幸せを感じて、感謝するようになると思います。
当たり前の積み重ねが信頼を生み、作品を育み、次へと繋がっていくのだと強く思います。
あー日本に帰りたい笑。
でもわたしは、もう少しここでやってやります。
これは当たり前のことをこなせるようになった小さな小さな一歩。
次は制作の面で、でっかい一歩を踏み出せるようにがんばりまーーーーーーす。

2012-04-04

Rotoscope

うおーつかの間の休息という感じです。
きょうはだらけると決めたのですが、あと1時間半でそのきょうも終わってしまいます。
切なし。いろいろと書きたいことはあるのですが、書くのが遅いので。
さくっとこないだまでやってたロトスコーピングの授業について書きたいと思います。

ロトスコーピングとは実写で撮影した被写体の動きをトレースして、アニメーションキャラクターの動きをよりリアルな人間に近づける技術です。
わたしもわかりきっているわけじゃないので、いろいろと間違ってたらごめんなさい。
いまではモーションキャプチャという、実際人間の関節にセンサーを付けて動作を解析・数値化する技法が発達しているので、格闘系・スポーツ系のゲームなんかは主にそっちが使われています。
が、ロトスコーピングの歴史は1919年に既に始まっているのです!びっくり!
当時のロトスコープは当然アナログで、1フレーム毎にトレースしていたようです。
わかりやすい画像があったので拝借。
デジタルでも果てしない作業なのに、全部手書きなんて死んじゃう。
開発者のマックス・フライシャーは1920年代、初期ディズニー唯一のライバル。
フライシャースタジオはロトスコープもさることながら、映画界がトーキーに移行し始める前に音声を付けたアニメーションをリリースしていたりと技術面でのパイオニア的存在だったように思えます。
彼らの代表作の一つが「Betty Boop」。



ディズニーの代表的な女の子キャラクターがミニーマウスだったように、それまでのアニメーションは女性の外見を忠実に描くことはなく、ベティちゃんのセクシーな見た目とダンスは当時とてもセンセーショナルだったようです。
彼女の柔らかい女性的なアニメーションはロトスコープあっての技。
音楽に合わせて踊るモデルを実写で撮影するので、音と動きも綺麗にシンクロしてますねー。
ちなみにベティは1934年にアメリカで導入されたヘイズ規制(商業映画の道徳規制)で露出を制限されたり、配給元のパラマウントからディズニーを模倣するよう指示されたり、その本来のキャラクターを喪失していかざるをえなくなったそう。
映画はいつの時代も不本意な敵に振り回されている感じがするよねえ。

まあ結局ロトスコープも世界的に認知されるようになったのは1937年の「白雪姫」から。さすが天下のディズニー!
アニメーションはまだ当時子ども向けの短い作品が多かったところを、ディズニー自身初の長編アニメーションに踏み切ったわけです。そしてそのほぼ全てがロトスコープを使ったトレース!果てしない〜!



おそらく当時も24fpsなのかな?83分で約12万枚くらい?ひゃっほー!
実写撮影の様子がこちら。



白雪姫の指の先まで神経がゆき通ったような動作はこのモデルから生まれているのね。
結局いいものをつくる近道なんてないということか〜と思っていたら、面白い記事を発見したので引用させて頂きます。

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〜〜〜「ロトスコープ」というものの考え方自身がその価値観をよく表している。
現実に存在しないものをリアルに見せようとする根性はSFXにも通じるアメリカ独特のものかもしれない。

これに対して日本のTVアニメは1秒間に8枚しか使えないリミテッドアニメだ。
ディズニーのアニメーションが1秒間に24枚なのと比べて、どうしてもカタカタカタカタと不自然な動きになる。動きをリアルに、とかロトスコープとか以前の問題だ。
もともと日本のTVアニメは、昔は「TVマンガ」と言われていた。少年誌に連載されているマンガをTVで動かします、が目的の作品だ。
当然、制作現場への注文も「リアル」よりもマンガの絵をそのイメージのまま動かすことに重点が置かれた。
マンガの絵はデッサンとは違う。たとえば、人間の顔は必ず斜め右か斜め左のいちばんかっこいい角度からかっこよくデフォルメして描く。決して中途半端な角度から描いたり、真正面から描いたりはしない。
そのかっこいい斜め右向きの顔から、斜め左向き顔までをできるだけ変にならないようにつなぐのがTVアニメの課題になった。
鉄腕アトムの角がどっちを向いても必ず二つ見えていて、決して重ならないのは有名な話だが、これも同じポリシーに基づいている。
日本のアニメはアメリカのように立体物を想定して、それを正確に動かそうとする方式とは正反対なのだ。
このアメリカと日本のアニメーションに対する考え方の差は、スローモーションで見ることによって、具体的にはっきりわかる。コマ送り、という家庭用ビデオの進歩がそれを可能にした。
たとえば、重いものを持ち上げるシーン。
アメリカのアニメーションなら、実際に人間が重いものを持つとき、どんなポーズをとっているのか、1/24秒ごとに把握する。
膝の角度と開き方の関係は?踵はどの位置まで持ち上がっているか?どの筋肉を使い、どれぐらい膨らむか?
ロトスコープまでしなくても、こういった解剖学的な正確さが重要になる。
それに比べ、日本のアニメは違う。
持ち上げようとするとすぐには持ち上がらない。この、持ち上げようとしたまま止まっている1秒ほどの描写が「重い」を表現している。そのあとゆっくり持ち上げる。途中で止めたりすると、いかにも重い感じがする。
アメリカのアニメーションがとにかく「動き」を表現するのに対し、日本アニメは「止め」で表現する。西洋の演劇が「バレエ」という動の文化に進化していくのに対し、日本の演劇は「能」という静の文化に進化していった。国民性とも言えるかもしれない。

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もちろん日本のアニメが近道してる!なんて絶対に思わないけど、見せ方の差は明らかだよね。おもしろいねえー。


最後にわたしが学校のエクササイズでちらっとつくったロトスコープのっけます。
わたしたちはアニメーションはつくらないから、マスキングして合成する練習。
ベティと白雪姫の後にこんなふざけたもんのっけてごめんなさい笑。
出演はおともだちのえしぇるちゃんです。
来週からミュージックビデオのプロジェクトが始まります。
学校外でもいくつかミュージックビデオをつくる予定。
えしぇるちゃんに不満を言うわけではないですが笑、ちゃんとした作品をつくる際には身体を使える人に出演してほしいね笑。
いよいよイギリスでダンサーの知り合いがほしくなってきた!日本ならいっぱいいるのになーあ。

2012-02-10

[FILM]LONDON CINEMA

無職の学生は、なるべく家で映画を観るようにしています。
プロジェクターで真っ白の壁にうつして観てるのでそれなりですが、やっぱり映画は映画館で観るものだよね。
真っ暗な空間で、爆音で観る映画は格別。
そしてその時間をたくさんの人と共有しているかと思うと、それもまたいいよね。
映画はひとりでも楽しめるけど、知ってる人や知らない人と楽しんだ方がずっと心に刻まれる感じがして良いです。
芸術も文化も歴史も人も、それ単体で楽しむよりも、自分にしかできない方法でタイミングで繋げて呑み込む方がずっと楽しい。
ロンドンではそんなに多くの映画館に行ってるわけじゃないけど、良かったな〜と思うのをいくつかご紹介します。


2012/02/03 「The Artist」@Coronet Cinema
ノッティングヒルのコロネシネマは1898年に劇場としてオープンした老舗の映画館です。
駅を出てすぐに目に入る美しい外観は、まさにノッティングヒルの象徴!
1923年に劇場としての働きを終えて、完全に映画館として営業をするようになってからも内装はそのまま残したんだって。

座席の構成も劇場そのまま!もはや映画を観に来たのかなんなのかわかんなくなりそうだよね。
お値段もリーズナブルで、なんと火曜日は£3.5で観れちゃう!
いまは外壁の工事中でばさーっと隠れちゃってるから、写真はオフィシャルサイトから。
雰囲気のある映画館で、訪れるだけでほんのり心が満たされます。
わたしはここで、「The Artist」を観ました。
先日ゴールデングローブ賞をとったモノクロ&サイレントのフランス映画です。
無声映画からトーキーへと時代が移り変わって行く中で、葛藤する無声映画俳優のおはなし。
シンプルで素敵な映画でした。
時代が動いているときってたくさんの興奮や哀愁が入り交じっていて、それだけで美しい。
正直モノクロ&サイレントの目新しさが大分騒がれている要因になっているんじゃないかと思ったけど、クラシカルなスタイルはやっぱ普遍的に人の心をつかむよね。
変化に逆行して残っていくもの、人、スタイルっていうのは相応の理由があるよなと、コロネシネマでモノクロ&サイレントのアーティストに描かれた時代に翻弄される人間を観て思いました。
日本では4月公開だそうです。映画館で観た方がよい映画だとおもいまーす!お時間あればぜひ。


2012/02/09 「Salome」@Southbank Centre Queen Elizabeth Hall
Southbank Centreはテムズ川沿いにある映画やコンサートやダンスや詩など幅広く芸術を扱う複合施設です。
ロンドン初映画で、ロンドン映画祭の作品を観に来たのもここでした。
今度のロケ地もここの管轄の教会で、これからも色々とお世話になりそうな予感。
こんなに大々的な芸術支援施設って日本にあるのかなー。さすがロンドンと思いました。

Salomeは聖書などに登場するパレスチナの領主ヘロデの娘サロメを元にして描いた、1923年のモノクロ&サイレント映画。
今回Southbank Centreでは、この映画に音楽の生演奏をつけて上映していました。
真ん中にスクリーンがあって、四方に楽器スペースが設置されてます。
ドラム、タンバリン、カスタネット、ジャンベ、チベットのシンギングボウルなどの楽器でエキゾチックな感じの音をイケメンたちが奏でます。
劇場に入った瞬間にお香のにおいもして、なんだかすごく五感を刺激される空間でした。
映画自体もアメリカ映画の芸術レベルを向上させたいと美術監督・衣装デザイナーのNatacha Rambovaが手掛けた作品だけあって、モノクロなのに目を引くセットや衣装がすごく印象的。

サロメの頭やばい笑。きらきら。

この衣装すごく綺麗だった!モノクロに映えるよね。

この幅広コートも渋めでよかったです。

最後は孔雀ヘッド!んーーー衣装メインといっても過言ではない!
約90年たった今でも映画そのものに十分見応えがあるし、それに音楽とニオイをつけてやっちゃおうっていうのは素晴らしい心意気だと思います。
戯曲さの残る映画なので、映像に生演奏が付け足されたというよりも、生演奏が映像のナマモノ要素を引き出しているように見えました。

んー贅沢な時間でした。これがなんと£6!
ロンドンアートの一番のすごさはその値段ではないかしらと本気で思う。
それにしても、こんな風に映画を観せてくれるところが当たり前のように存在しているなんて!
五感で作品を楽しむ場所を提供するというのはわたしの夢です。
ロンドンに先を越されつつあります。がんばらな!


2011/10/14 「Shaun of the Dead」@Gallery Cafe
最後はロンドン来たばかりの頃に行ったベスナルグリーンのギャラリーカフェ!
毎月テーマを設けて、毎木曜日に上映会をしています。
10月のテーマはハロウィンで、会場もなんとなくハロウィンな空気。
カフェスペースの奥の扉から外にでて、庭っぽいところを越えてまた扉に入ると会場の教会にたどり着きます。
なんだか秘密基地っぽい感じですでに楽しい。
フリーのポップコーンと、カフェで頼んだホットチョコレートを飲みながら上映開始。
ソファや椅子がランダムに並べられて、周りからたくさん笑い声が聞こえる感じがホームシアターっぽくていい:)
終わったあとには映画のクイズ大会!観てればわかる簡単な問題ばかりだけど、勝ったグループにはシャンパンが!
手作りの登場キャラクターの名札が配られたりして、とてもアットホーム。
こちら名札をつけてポップコーンを食べるあやのさんちのくわみさん。
ロンドン来たばかりでこんなふうに映画を観られてとっても励まされたし、そうそう映画ってこんな感じに観るものよね〜!と思いました。
知らない人たちとだけど、みんなでごろごろ観る映画楽しかったな。
ギャラリーカフェはごはんもおいしいし、一人で長居しやすいので大好きです。
ミニライブみたいなのもやってるみたいだし、映画も毎週やってるし、そのうちまたふらっと行こうと思います。


ロンドンに来て約5ヶ月。
少しずつお気に入りの場所が増えてきていて幸せです。
最近は雪が降ったり積もったり、暗くて寒くて大変だけど。
はやく春になって外でごろごろしたりできるといいなーん。
日本も寒そうだけど。みなさんお元気ですかー?:)

2011-12-04

[FILM]Reign Over Me

2011.12.02
「Reign Over Me」












学校の初課題を制作するにあたり、最近はロケハンに勤しんでおりました。
まったく知らないこの街でぴったりの場所を探すのが本当に大変だ!
ひたすら一人で歩き回って、一人で黙々と写真を撮ってみて、ちょっとな〜って一人で思う。孤独な闘いだ...と冷えきった手をこすりながら思いました。
この街はロンドンも映画も初心者のわたしに、つんと冷たい他人の顔をしてます。ちくしょう。
建ち並ぶ美しい建物たちも、忙しなく走るバスたちも、行き交う多国籍な人々も、まだ自分の描きたいような画に収められる自信は全くありません。ちくしょう。
それでも努力を重ねるしかないので、とにかくやってみます。
自分一人でつくるものなら納得のいくまで何度もやればいいけど、人とつくるものはそうはいかないから不安だよね。
遠慮なくとことん一緒にやれる仲間をこちらでも見つけられるといいなぁ。

いま制作中の課題は「アイデンティティー」がテーマなんです。
その人を包む「街」っていうのはアイデンティティーの大きな一部だと思う。
たくさんロンドンを歩いて、この街がわたしのアイデンティティーと呼べる街になったら素敵な作品がつくれるだろうなと思った。
そうして街を歩いているうちに、帰ったらReign Over Meを絶対観ようって思ったんだよね。

Reign Over Meの中でニューヨークの街は決して活き活きとしているわけではないんだけど、なんだか人と同じだけの時を過ごして、同じように感情がある生きものに見える。
街がただの舞台じゃなくて、苦しむAdam Sandlerと同じ心を持ちながら彼を包み込む、味方に見える。
昼、夜、明け方とスクーターで走るAdam SandlerやDon Cheadleの後ろ姿と街の画は繰り返される度に胸をいっぱいにしていくよね。
主人公のAdam Sandlerが9.11で家族を失った遺族で、ニューヨークは9.11で傷を負った街だということからか。
夜に街の明かりがキラキラ光って人のような温かさを感じるからか。
街がアイデンティティーというよりも彼自身にすら見えるんだよね。

遺族のことを考えたら9.11である必要性がないこの作品にわざわざ9.11をテーマとしてあてがうなんてできるはずがない、というのが割と多い意見らしい。
たしかにただの交通事故でPTSDの主人公は描けたと思うし、見方によっては安い感動モノに簡単に見えるし、引きがいいから9.11をテーマにしたんだろって言ったら言えちゃう作品かもしれないけど。
わたしはこの作品の9.11でならなければなかった理由は「街」にあると思うんだよ。
あそこに描かれているのは、遺族という個々人の再起であり、傷を負った街自体の再起であると思う。
監督がどれだけ考えてああいった街のシーンをたくさん入れたのかはわからないけど、私はそういう風に感じたよ。すごいなって思った。
街を舞台としてたくさん盛り込むことは誰にでもできるけど、街自体に思い入れがあって、この街をこの作品の中でこういう存在にしたい、この街によってこの作品をこういう風に見せたいという意志がないとああいう画は撮れないよ。
そして私はロンドンをそういう風に撮る自信はまだ全くないけど、ここで2年しっかり訓練して技術を身につけたら、東京を撮る自信はロンドンよりもずっとある。そう言えるようになったことが、アイデンティティークライシスの終わりを私は迎えたということだと思う。故郷だとは未だ思えないけど。

自分の話になっちった。
とにかく、私悲しい映画は苦手なんです。悲しみっていうのは一番表現しやすい感情だと思うから、なんとなく安っぽく嘘っぽく見えがち。私はあーはいはいって冷めた目で観ちゃうか、思考が停止してとにかく悲しくて泣くだけになっちゃうから。
Reign Over Meは私が持ってる唯一の悲しい映画です。
悲しいでしょう?って人の感情に訴えかけてくるだけじゃなくて、空間を無駄にすることなくしっかりと意志を持って撮った人間的であり、芸術的な作品だと思う。
主演のAdam Sandlerも素晴らしい。普段コメディばかりの彼が立つだけで、空間が激しく締まる。
音楽もいい。音楽好きには好き嫌いが分かれそうだけど、わたしは特に知らないので映画的には感情をあまり表現しない人物たちの代わりに音楽が叫びになっていてとてもいいと思います。

映画は、まあ3Dはちょっと違うけど所詮平面の作品だから。
舞台を観た時のナマモノな感じはないと思うんです。演者の熱気や音楽の壮大さやその空間のパワーが、波になってお客さんに襲いかかる感じは、やっぱり映画には欠けている部分だと思う。
だからこそReign Over Meを観て、こういう空間の描き方をしたいなと思う。観ている人の中でなにかがしっかり重なって、浸食していくような。意志を込めたい。


あしたは初めての撮影!授業外なので、本当に完全に自分次第。
9:30ビクトリア集合です。まだ寒いだろうなあー。
目が覚める冬の澄んだ空気。朝一は背筋をしゃんと伸ばしてやるか、と腹をくくるのにちょうどいい。んだけど、何時間もその空気に包まれてると芯から冷えて、もうここらでいいんじゃないか?誰もダメって言う人はいないんだから!と妥協し始めるきっかけになります。
うおー冬のロンドン寒い。まだ10度とかだけど、容赦ない10度って感じ。これからどんどん寒くなるかと思うと本当に心折れそう。はやく雪でも降ってくれたらテンション上がるのに。
雨でも雪でも朝でも夜中でも、妥協しそうなわたしのケツを叩いてこれじゃあ納得できないだろ!と一緒につくってくれる仲間が欲しい!あすかちゃーん!あんちゃーん!

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Reign Over Me
director:Mike Binder
writer:Mike Binder
cast:Adam Sandler, Don Cheadle
country:USA
http://www.sonypictures.com/homevideo/reignoverme/
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2011-11-12

[FILM]TEEN FILM

ロンドンで初めて風邪をひいたっぽくて、身体がだるーいのできょうは一日ごろごろしていました。
こっち来てからは日本での忙しい生活が嘘みたいに、時間がたくさんあります。
学校は忙しいけど、オフの日はあまり予定がないので、一人で何かを観たり、読んだり、考えたり、思ったり、そんなのの繰り返しです。それが結構いい感じです。究極の贅沢って感じ。やほんと贅沢です。
でも今日は頭もぽーっとしてたので、そんなのもせず、なんとなーくぽーっとしてました。
そしてぽーっとしながら昔書いたものを色々読んでいたら、十代の自分が支離滅裂すぎて笑えて元気になってきた。
この頃から正直さだけは変わってないなあと思うくらい、きっとその時抱えてた思いとか巡らせていた思考たちをただただぶちまけてる記録たちが本当におかしくて、愛おしかったです笑。

わたしはどんな映画が作りたいかっていうのをはっきり人に説明できるほどまだ固められていないんだけど、若い人に向けた作品を作りたいとずっと思ってるの。
大人は長く生きた分、逃げ道の作り方を知っているし、心の休め方を知ってる。自分のリズムで生活できるし、武器をたくさん持ってると思う。もちろんそうじゃない大人の人もたくさんいるとは思うけど。
これは前にも書いたけど、十代の頃の自分ってすごく不安定だったと思う。
楽しい!最高!って思っていた次の日にああなんてひとりぼっちなんだろうって思ったり。学校で教えてくれることが人生の何に役に立つの?ってよく聞くセリフだけど、17歳や18歳なんて人生の役に立つことがなんなのかは自分で探さなきゃいけないことに気付き始めてる。不安で空っぽな自分を埋めるために友達や彼氏が欲しいと思ったり、そうして周りに優しくしてもらうと、罪悪感とか自分に対する嫌悪感で死にたくなったりする。頑張らなきゃいけないことはわかってんだけど、なにをどう頑張ればいいかはまだわかってない。とりあえず与えられたものをこなすことに必死になって、頑張って疲れて、これ頑張ったらどうなるんだろうって思っちゃって、結果を形として提示されないと続けられない。そんな風に色々考えて、自分だけがみんなと違っておかしいんだって思ったりする。
とにかく何もかもが漠然としてるんだよね。

若者をわたしの映画で救いたい!なんてことは決して思ってないけど笑、漠然とした思考を言葉や画にしてあげたいなとは思う。
この映画がなかったら十代のわたしはダメだったなんて思う映画はないけど、自分が抱えてる気持ちはこういう感じのものなんだろうなとか、なんでかわかんないけどわかるわかるとか、共感することで楽になった映画はあると思うから。一瞬だけでも少し元気になったとか幸せになったとか、そういう映画もある。
映画だけじゃなくて本とか音楽とか場所とか人とか色々、劇的な何かがあったわけじゃないけどそういうのの積み重ねで大人になってきてると思うからさ。
人生を変える作品を!っていうよりも、積み重ねの一層になれる作品を作れたらいいなあ。

ということで、わたしのレイヤーになった大好きなティーン映画をちょろっとご紹介します。

「girl, interrupted」












ティーン映画といったら17歳のカルテ。
精神病院に入院してる女の子たちが、たしかに病気なんだけど自分と何が違うんだろうって思ってた。
アンジェリーナジョリーの鬼気迫る姿に圧倒されるけど、ウィノナライダーの普通な感じも好きですわたしは。
部屋のドア越しに歌うシーンは何度観ても素晴らしいと思う。


「青い春」












しあわせなら手をたたこう!
ぐちゃぐちゃで混沌とした気持ちを静かに表現している映画です。
静かな焦燥感に胸が熱くなります。ミッシェルの曲も相俟って、屋上で叫びたくなる。
若い新井浩文がめちゃくちゃ尖ってて、突き刺さる!


「時をかける少女」












走り出したくなる映画!
爽やかで、恋がしたくなる映画です。
大切なものを素直に大切だと思えるようになる!抱きしめたくなります。


ほんとにちょろっとですが、そんな感じです。
今でも悩んだり、見失いそうになったときは観ます。
あとは魔女の宅急便。
人生にこういう作品があるというのは幸せなことです。
さあー風邪がしんどいので魔女宅観ながら寝ます。
きっと仕切り直して、明日から元気にまた頑張れるはず:)
おやすみなさい。

2011-11-08

[FILM]2 Days in Paris

2011.10.23
「2 Days in Paris」












異文化コミュニケーションはわたしの人生のテーマになりつつあります。
ロンドンは本当に多国籍な国で、毎日いろんな国・文化・宗教の人と話をするのが新鮮。
こういうことを言って甘やかしたくないんだけど、ここで生活をするというだけで意味はあるんだろうなあと思ってしまいます。
繊細で笑、非効率なわたしの脳みそはいちいち驚いたり嬉しくなったり傷ついたり、ほんっとうに忙しいです。

日本が母国だと感じます。
日本を通して、日本人として世界を見ることができて幸せだと思います。
日本人の仕事は繊細で、芯があって、柔軟。
外国に比べて愛国心が稀薄だと思っていたけど、それは公平な目で外を見られるということだとも思う。
国際化という点ではまだまだ国としてのシステム面で足りないところが山ほどあるけれど、いまは能動的に個人が情報を獲得できるのだから、いくらでも外を知って、日本の自分に立ち返ることができるはず。そういう習慣がないが故の稀薄な愛国心というのも事実だから、もちろん環境的にも個人の意識的にももっとうまく循環させることはできると思うけどね。
もっとたくさんの日本人が、日本に誇りを持って、あの国を愛してもいいと思う。というか愛したらいい。欠陥もなにもかも含めて愛するところからなにもかも始まると思うからさ。政治も経済も地震も放射能もぐちゃぐちゃだけど、恋人の嫌いなところを数えてばかりいても仕方がないじゃない。
初めて国家が形成されつつあった頃の日本は、国を良くしていこうという単純明快な欲の元に人が動いていたんだよね。良いものは良いと言って、次々に取り入れていったんだよね。
今は個人の知識も選択肢も果てしなく増えてしまったから統制することが難しいというのはもちろんだけど、せめて国を愛するところに全員が最初の一歩目を揃えてもいいんじゃないかと思う。

なんだか熱くなってしまった。とにかくいい国だよ日本は。大好きだ。
日本食食いたい。


それで、2 Days in Parisを観たわけなんだけど。
アメリカ人の偏屈彼氏とフランス人の彼女が二日間、パリにある彼女の実家で過ごす話。
彼女の実家ってだけでアウェイなのに、家族も友達もみんなフランス語で自由にまくしたてるあの感じはアメリカ人にはかわいそすぎる!
それにしても、あれはとっても脚色しているよね?フランス人はみんなあんなにセックス好きなわけじゃないよね?パパの下ネタ満載アートはひどかった。フランス人はあれをアートとして楽しむの?道を歩きながら路駐にキレて鍵で車に傷を付けながら歩くことは日常的なことじゃないよね?カフェで昔の恋人に会って、いきなりあんな大喧嘩が始まるの?ゲイで妖精な爆弾魔はめったにいないと言ってほしい。タクシー列の前に並ぶ団体客に「ルーブル美術館ならここから歩けますよ。タクシーに乗る方がばかばかしい」と知りもしない道を教えて、早くタクシーに乗ろうとするアメリカ人はいそうだけど。

政治や文化や宗教の話が盛り込まれたテンポの良い会話で展開していくこの映画は、ウディアレンみたいだった。
ウディアレン作品の中身が少し若返って、身近になった感じ。
それにしても、監督・脚本・音楽・編集・主演のJulie Delpyはまだ41歳でしょ?天才なのか?18年後にはわたしも自分の触れている各国の人間や文化をうまく消化して、自分の表現としてアウトプットできるようになるのか?そんな気配がしないけど、そこまでいけたらわたしのロンドン生活は大成功だ。


背筋がぴんと伸びる着物、食卓を囲む「いただきます」、家の中では靴を脱ぐ習慣、上司や先輩を敬うということ、風鈴の音、電車の中で電話をしないモラル、四季があること、クリスマスもバレンタインもとりあえず楽しんじゃうとこ、年の始めも受験も安産もすぐ神様にお祈りしちゃうとこ、こたつの中で足があたる感じ、しっかりと余韻を残す花火。

んーとそんなことじゃなくて。
もっと感覚的な愛おしさを言葉にできたら。しかも英語で伝えられたら。
言葉にできなくても作品にできたら。どれだけいいでしょう。
日々精進。いまはそれしかないですね。


ちなみに11/5はガイフォークスナイトっていうイギリスの国民的なお祭りの日だったんだけど、結構きれいな花火があがってた。
どうせしょぼいんだろと思って馬鹿にしてたことを反省しながら見てたら、クライマックスの盛り上げ方が半端じゃなくて笑ってしまった。ものすごいスピードで次々に花火があがって、音も空の色も火事かと思った笑。
花火はひゅーーーっていう音がいいよね。
火の粉が散ってゆっくり消えていく感じが美しいよね。
横須賀の花火が恋しいなと思った夜でした。

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2 Days in Paris
director:Julie Delpy
writer:Julie Delpy
cast:Julie Delpy, Adam Goldberg
country:France, Germany
http://www.2daysinparisthefilm.com/

観たいと思った映画: Before Sunset
http://www.imdb.com/title/tt0381681/
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2011-10-19

[ANIMATION]あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

2011.10.12
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」












「故郷」があるというのはなんて素敵なことなんだろうね。と11話を通してひたすら思った。
中学でも高校でも専門でも一度ずつはアイデンティティークライシスに陥った気がするけど、いつも「故郷」のある人をとてもうらやましく思ってた。大切なものや戻りたい場所ができた今でも、それは変わらない。
無条件に自分を迎え入れてくれる場所といったら幻想を抱きすぎかもしれないけど。色んなところで色んな人と色んな時間を過ごしてきた後に、おまえはよくやってるよって、とりあえずここらへんで休憩しときなよって、そんな風に言ってくれる町や景色があるというのは本当に素敵なことだね。

幼なじみっていいなあ。人生のスタートが同じなんだもんねえ。
どんなにぐれてどんなにひねて、どんな方向にそれぞれ変わっていっても、自分は元々こういう人間だってわかってくれてる人がいるんだもんね。わざわざわかってくれてなくても、自分の持って帰ってきたもの関係なく、寄り添ってくれるんだもんね。
里帰りって、その場所と人の力がこびりついた自分の無駄をそぎ落としてくれるのかな。
夢見過ぎかしら...でもこの人とこの景色と空気でできたこの空間が、私の原点なんだよと私も言ってみたい。

いくつかの場所に住んで、本当にたくさんの場所を訪れて、色んな文化を知って、人と触れ合って、そういうふうに過ごしてきた人生はとても良かったと思うし、いまの自分はこの過程を辿ってきたから形成されたのだと言えるけど、自分の子供には「故郷」をあげたい。
頑張ってる子供を迎え入れてくれる町をあげたいと思うね。

まあ実際このアニメの舞台が秩父と飯能で、まさに私の実家なので十分「故郷」的な目線で楽しみはしたんだけどね!
学校まで二時間かかってたし、すぐ動物とぶつかって電車が止まるし、地震のときは5日間も帰れなかったけど、いいところですよ。不自由さがほんとにイライラするときはイライラするけど、それがまあ愛おしいよね。

「故郷」のないことが住む土地にすぐ愛着を持ってしまう習性につながってんのかなーと思う。
浜田山も大崎も蒲田も大塚も、それぞれに好きなコンビニがあって、好きな道があって、好きな時間がある。
どの町も、私は今このタイミングでこの町に住むべきだったんだ!といつも思っちゃう。そしてどの町もきっといつ訪れてもわたしを温かく迎え入れてくれるんだろうなと勝手に思っている。
この二年間でロンドンも私にとってそういう存在になってくれるといいな。


ああの花はエンディングがとっても好きでした。
3日くらいでまとめて観たけど、一度もエンディングとばさなかった。
ベタな演出だけど、最後のコーラスで女の子三人の後ろを降ってる白い花たちが彩られて昇華していくところが大好き。
お話っていうよりも細かいところにセンスの感じられるアニメだったなーと思います。

なんだかもう既に日本語が下手になってきてる気がする!
誰か日本語で私としゃべってください。

それではーおはよう東京、おやすみロンドン:)

2011-10-15

[FILM]百万円と苦虫女

2011.10.14
「百万円と苦虫女」

2008年7月公開の映画。
当時の私はシネマ2で働いていて、無料で映画を観られる最高の環境にいながらも長引く就活にもんもんしたりいがいがしたり、映画を観ることを抑制していたり、映画を観る気分になりづらかったりしてた。
就活前までは月30本観てたけど、この頃は月2,3本がいいとこ...ということで、見逃した約150本の映画のうちの一つが「百万円と苦虫女」です。

私は現実逃避するのが多分苦手で、追いつめられるとどう足掻いても逃げられなくて、とことん考えたり、話したり、書いたりってして解消していく方が向いているみたい。と最近気がついた。
きっと映画を観るにしても、全然関係ない映画を観て現実を忘れるっていうより、なんとなく自分や自分の周りを連想するようなものを観て、思考を巡らすきっかけにしてあげた方が自分にも映画にも良いっぽい。観ないのも良くない。
ということを考えると、この映画は人生の岐路に立たされ途方に暮れていた、就活中のあの頃に観るべき映画だったかも。
「いや、むしろ探したくないんです。どうやったって、自分の行動で自分は生きていくしかないんですから。探さなくたって、嫌でもここにいますから。」自分探し?と聞かれた蒼井優がそう答える。
自分を探しまくってたあの頃の私がこのセリフを聞いたら、探すのを一旦やめて立ち止まったかもしれん。
まあ今も探してないわけじゃないけど、大切な人や場所があることはとてもわかっているし、必要なのは覚悟だなと一貫して思うようになった。
それが正しいのかはまだわからないし、なにかを後悔しているようなことは一切ないから、まぁ結果どうでもいいんですけどね!

言いたいのは、どのタイミングでどの作品に出会うかは重要だなということ。
それは人生っていう長い単位でもそうだし、その日の気分だったり、その後会う人だったり、そういう小さなことでもそうだね。
自分に合った最高のタイミングで、最高の作品を観ていきたいなーと思うわ。
そしてほんとのほんとの将来は、映画や本や舞台やダンスや名前もないような表現の作品を、私の力で最高の作品だと思ってもらえるように人々に送り出したいなーと思うね。そしてそれが自分の作品だったらなお最高。
なんか夜だし、一日家にいて色々考えているからこんなところでしゃべりすぎている感は否めないけど、ま今日はいっか!


あでもフジファブリックのPV→髑髏城の七人の天魔王→モテキの藤本→百万円と苦虫女の中島くん という流れでこのタイミングだからこそ、森山未來にめっちゃときめいたってのもある!
きっとこれを最初に観ていたり、フィッシュストーリーのあとにこれを観ていたりしたら、森山未來には全然見向きもしなかったでしょう。蒼井優かわいーなーで終わっていたでしょう。
だから、やっぱり今このタイミングにこれで良かったんだ!
はあーん。キテます、森山未來。
ときめける相手がいるというのは、幸せなことだ!

そして私はこの作品を結構なめてました!
どうせだらだらやってほわ〜んとぼわ〜っとして終わりだろって思ってましたが、思ったよりとっても簡潔で、テンポが良くて、役者もよく見えたし、大切なことが説明的じゃなく伝わってきたし、おまけにしっかりきゅんきゅんもさせてもらったし、良い映画でした!
と映画の感想っぽいことも言ってみる!
それじゃあ寝ます。おはようトウキョウ、おやすみロンドン。

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百万円と苦虫女
director:タナダユキ
writer:タナダユキ
cast:蒼井優、森山未來、齋藤隆成
country:日本
http://blog.t-basic.com/nigamushi/comment/

観たいと思った映画:「モル」
http://pff.jp/moru/main.html
タナダユキの初監督作品。
でもこの人、さくらんの脚本はくそだったよね...。
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2011-09-08

[FILM]クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

2011.09.04
「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」

シンプルに核心を突く!
元々築き上げられたしんちゃんブランドをうまく活かした作品。
しんちゃんという土台があるからこそ、純粋に心に響く。
素直に笑って、素直に感動できる。

お話はアニメのストーリーらしからぬテーマと展開。
20世紀博という万博的なテーマパークが春日部にできて、大人たちは「20世紀の匂い」の懐かしさにどんどんのめりこんでいってしまうのね。
それに対して子供たちはもちろん20世紀の記憶がないから、置いてけぼり。
大人になりたいしんちゃんたちが、地球を20世紀に戻そうとしている組織を倒しにいく。というお話。
これに昭和のノスタルジックな描写や音楽も相まって、なんだかアニメでももっとアート寄りなアニメとか、もっというと実写でもおかしくないんじゃないか?と思ってしまうような世界観。
太陽の塔が出てきたり、あまり詳しくないけど古い型の車がたくさんでてきたり、ウルトラマンやサリーちゃん、青島幸男やシェーなど、20世紀を象徴するキーワードも徹底して散りばめられてる。
こんな大胆なテーマを、こんな繊細な描写でクレヨンしんちゃんに落とし込んでしまうなんて!
そしてしんちゃんだからこそ、説明的すぎず、おしつけがましくもなく、本当に素直にこの映画の伝えたい事がすっと入ってくるんだと思うね。
画面を彩る為の「昭和っぽさ」ではなく、「昭和のあの頃」の感動的なお話を描いたわけでもなく、「時代の懐かしさ」について真正面から描いた、男前な作品。
無駄がそぎ落とされ、本質を掴んだ、シンプルで力強い映画。
こういう誰でもなんとなく心に持っているあやふやな感情を、ごまかさずに掴んで揺さぶれる作品てとても少ないと思います。感動!

過去ってどうしても美化されていくもので、嗅覚っていうのは記憶を急激に呼び起こすんだよね。
突発的に入ってきた匂いで「懐かしい」って思う事は誰でもあると思うけど、当時の空気や気持ちを思い出すことはできても、そっくりそのままその時の自分になることはないから、呼び起こされた記憶が正しいものなのかっていうのはもうわからない。
風間くんが「懐かしいってそんなにいいことなのかなあ?」と劇中で口にするんだけど、わたしは「懐かしい」こと自体がいいことなのではなくて、「ああ懐かしいね」って人生のある期間を共に過ごした誰かと語り合って、そうしてそれぞれ未来へ進んでいく「今」がすてきだと感じます。
こないだ行った岡本太郎美術館の万博の資料で迷子ワッペンていうのを見たんだけど、一緒に行った悠策と映画を観ていて「迷子ワッペンだ!」ってなった感じがまさにそんな感じで、よかったです。
こんなにピンポイントで小さなことだけど、共通の記憶として同じタイミングで呼び起こされたりして、そんなことが嬉しいと思うよね!

「懐かしい」って自分次第で、元気が出ない時の栄養剤になったり、気合いを入れなきゃいけない時の必殺技になったり、前に進まなければいけない時の足枷にもなる。
全てが大切なことは確かだけれど、うまく付き合っていきたいなーと思います。
渡英まであと17日。!。

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クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
director:原恵一
writer:原恵一
cast:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治
country:JAPAN
http://www.amazon.co.jp/映画-クレヨンしんちゃん-嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲-DVD-矢島晶子/dp/B00006K0UK
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2011-08-18

[FILM]Whatever works

2011.08.14
「Whatever works」













やーーー久々に映画観ながらこんなにケラケラ笑った!
全く飽きない90分。アイロニックにこちらに向かって話しかけてくるLarry Davidがたまらなくおかしい。ブラックユーモア満載。
タリバンも共産主義者もひどい言われようだけど、どちらもきっとこれを観たら笑ってしまう。
天才!Woody Allen!軽すぎる!

一応老人と小娘のラブコメで、一瞬すごく切なくなったりして、そっちに振るのか?と思いきや、絶妙なタイミングでコメディに戻してくる。
Larryは二度も自殺しちゃうし、ゲイだのなんだのって色々大変そうなのに、とにかく軽い!
なんとなく全体の流れは思い出せるけど、細かい部分とかはあんま思い出せない。きっともう一回観たくなっちゃう。
天才。WoodyAllenは天才。誰にでもオススメできます。

気になるのはWhatever works→人生万歳?っていうタイトル。
なにがあってもうまくいくぜどうにかなるぜっていうニュアンスが伝わりきるのか?私的にはどーにかしちゃおうぜっていう力技なニュアンスも含む気がするし。
人生万歳!がWhatever works!みたいにうまく人の心をキャッチできてるといいけど。

しかし、旅立ち前の私は今まさにWhatever works!って気持ちで、
もっというと
思いわずらうことなく愉しく生きよ!Whatever works!ってかんじだ。

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Whatever works
director:WOODY ALLEN
writer:WOODY ALLEN
cast:Larry David-Boris, Evan Rachel Wood-Melody
country:USA/France
http://jinsei-banzai.com/pc/

観たいと思った映画:「Annie Hall」※脚本はこの時代に書かれたものらしいです。
http://www.imdb.com/title/tt0075686/
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2011-08-12

[FILM]elephant

2011.07.30
「elephant」

2:37/Murali K Thalluriを観た。
19歳の監督が撮ったこの映画は、視点の転換や時間の交錯などの表現方法がelephantによく似ていて、とても刹那的で、言葉がトゲのように刺さってくる感じがした。
学校で事件が起こるまでの一日の流れを、登場人物の視点を変えながら追っていくという構成は全く同じ。
同じ時間、別の人物はどこで何をしていたか?というように視点となる人物がかわると、時間軸を戻してみせたり、カメラの位置を変えてみたりと、シーンの展開方法もとても似ている。
似ている点は本当にたくさんあるのに、作品が終わった時の印象の違いはなんだろう。

elephantには説明がない。
観る人によっては唐突だったり、物足りなく感じたりすると思う。
10代の孤独や、漠然とした不安を言葉ではなく、画で表現している。
深い空に流れる暗い雲だったり、広いグラウンドに佇む少女の姿だったり。また、全体を通して学校に人が少ないイメージもある。
事件は突然起こり、理由の説明もないまま終わる。
衝撃で息を止めたまま、エンドロールに入る。
たしか初めて観たのは高校生の時で、わーーーーーーお。と思ってるうちに終わった。
私たちは、彼らの思いや孤独を、想像するしかない。
一つひとつの画や、決して説明的ではない彼らの台詞たちを少しずつ思い起こし、気持ちの整理をしていく。
elephantに限らず、この過程が私はとても好きだと思う。
世界に呑み込まれて興奮した心を、ゆっくりと沈めて映画を消化していく時間は、その映画を自分のモノにしていっている感じがある。
五感を使う映画だったと思う。

2:37の対照的な点は、本編の合間に人物一人ひとりのインタビューを挟みながら、丁寧に言葉で語らせているところ。
素直に話せなかったり、自分でも抱えているこの気持ちがなんなのかわからなかったり、言葉にする事がとにかく苦手な10代の心を、深く理解して、多くの人の心に届きやすいよう、映像化されていると思う。
そしてそれは19歳であり、同じように同級生を亡くしたムラーリにしかできない、とてもシンプルだけど実は一番難しい表現だったんじゃないかと思う。
終わった時のすっきり感は圧倒的にムラーリだった。


作品はどちらも素晴らしかったです。
10代の頃の自分てとても不安定で、人生の事とか死の事とかなんとなくいつも考えていて、
天井がとっても高く思える夜があったり、このまま目的地を通り過ぎてどこかへ行ってしまいたいと思う朝が何度もあったり。
まだ大切な人を大切にできる程、自分に余裕もない。
そんな毎日の積み重ねで、大事件があったわけじゃないけど少しずつ変わって、いつの間にかここまで辿り着いてた。

どんな風に形にできるかはわからないけど、
あの頃のあの感じをこのまま忘れてしまうのは惜しすぎるよね。

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Elephant
director:Gus Van Sant
writer:Gus Van Sant
country:United States
http://www.imdb.com/title/tt0363589/

2:37
director:Murali K Thalluri
writer:Murali K Thalluri
country:Australia
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7630
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2011-08-09

[FILM] l'illusionniste

2011.07.28@目黒シネマ
「L'illusionniste」













映画のことももちろん書いていきたいとは思ってるのです。

昔映画館で働いていた頃は月30本の勢いで観てました。
今は月10本くらい。
タダで観られてた時代はもちろん良かったけど、
映画館で映画を観る特別な感じを取り戻せた事はとても良かったです。
わざわざ外出して、¥1800かけて映画館で映画を観るのはそれだけで特別なこと。
少しずつ暗くなっていく感じとか、心臓まで響く音、なにより偶然居合わせたお客さんによる劇場の一体感とかは映画館特有だと思う。大好き。

で、「イリュージョニスト」です。
昔すごく好きだった人が「Once~ダブリンの街角で」を"宝石箱のような映画"と言っていて、私はその表現がとっても好きだったんだけど、「イリュージョニスト」はその"宝石箱のような映画"にとっても近かったと思います。
なんの前知識もなく観た私でさえも、時代の移り変わりをただただ静かに眺めるタチの姿が、映画自体をとても繊細なものにしていて、切なすぎてきゅーーーん…となりました。
雰囲気のある無声映画を観ている気分でした。
実際セリフはほとんどないの。言葉の通じない二人のおはなしだからね。
アニメーションでこんな気持ちになれるなんて。

「イリュージョニスト」は故ジャック・タチの残した脚本を、フランスのアニメーション監督シルヴァン・ショメが制作したもの。
本作は彼らの思いや、制作に至る経緯も含めて初めて一つの作品になるように思える。
前作「ベルヴィル・ランデヴー」を制作中だったショメは、映画内でタチの「新のんき大将」の映像を使用する許可を得るため、亡くなったタチの娘ソフィア・タチに会いに行く。
「ベルヴィル・ランデヴー」をとても気に入ったソフィアは、半世紀の間フランス国立映画センターで眠り続けていた父ジャック・タチの映画化されていない脚本「イリュージョニスト」の監督をショメに依頼する。

イリュージョニスト・タチシェフのモデルは脚本家のタチ自身だそう。自伝に近いらしい。
パントマイム師として、脚本家や監督として、生粋の舞台人として生きたタチ。
古典的で使い古された彼の芸が、時代の移り変わりに置いていかれるショウビズと共に風化して、衰退していく様子は本当に切ない。
生前タチがこの脚本を映画化しなかった理由は、あまりにも自身に似ていたから、という事みたい。
そしてソフィアも、父の役を特定の役者に演じられることに抵抗があり、この名作は陽の目を見ることないまま眠り続けた。
ショメのアニメーションという表現方法は、二人の思いを裏切る事なく、特定のイメージに侵されることなく、タチを描く事に成功したんだよね。
絵画を見ているような終始フィックスの引きの画は、タチの人生を象徴する舞台のイメージ。
キャラクターのコミカルなアニメーションは、パントマイムの要素が取り入れられてるのかな。
最後の方のシーンでタチが映画館に入るんだけど、そこで目にするのは「ぼくの伯父さん」という映画で主人公を演じる生前のタチシェフらしい。
作品の世界観を壊すどころか、切なさを助長するような形で随所にショメの、タチシェフへの愛が込められている映画だった。

なんというか、この監督の手にこの脚本が委ねられるのは、運命だったんだと思う。
こんな風に巡り巡って人やモノに出会って、ひとつの作品が完成するなんて、素敵すぎる。
そして全ての作品にはこういったバックグラウンドがあるって事が、何より愛おしいね。
これから先、こんな風に作品をつくる事ができたらいいな。と思います。

そしてもちろん、こんな色んな要素を気にしなくてもアニメーション映画として、誰でも楽しめると思います。
画が本当に綺麗だし、キャラクターもとってもかわいい!うさぎ最高!
そしてそして、ほんとにほんとに切ない。観るなら夜をオススメします。
終わり。

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L'illusionniste
director:SYLVAIN CHOMET
writer:JACQUES TATI
music:SYLVAIN CHOMET(!) ※サントラすごくいいです。
country:France
http://illusionist.jp/

観たいと思った映画:「ベルヴィル・ランデヴー」
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4892
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追記。
まだ模索中ですが、映画のレビューブログではないのであらすじのご紹介とか評価とかはしなくていいかなーと思っています。
なので本当に唐突だったり、一方的な思いがダラダラと綴られる事もたくさんあると思いますが、んーと、ごめんなさい笑。
まあとにかく適当に細々と長々とやっていきまーす。ヨロシク:)