2011-08-26

[TRIP]猿島

三笠公園からフェリーで10分。
要塞の島「猿島」にもお邪魔してきました。
三笠甲板から見た猿島


猿島はなんだか無理やりBBQや海水浴のできるレジャースポットとして最近は売りだしているみたいだけど、少し奥に入るととっても静かで、お散歩し甲斐のある島です。
幕末からWWⅡ前までは、東京湾の首都防衛拠点として、台場や弾薬庫がつくられました。
全ての施設が岸壁を掘り込んで作られているそうで、外から攻めうる敵の船からは全くの無人島に見えるようになっているらしい。
道が入り組んでいて、木が生い茂っていて、確かに外界から遮断された感じがします。

弾薬庫など、なんかそれっぽい穴は全部封鎖されていて中には入れませんでした。
井戸と同じ様な構造になっていて、弾薬は真上に設置された砲台へ縦に運搬されたそう。

トンネルは真っ暗。
足元は湿っていて、壁にはよく見るとでっかい蜘蛛がたくさん。要塞っぽい!


調べてみると、どうやら猿島はショッカーのアジトとして仮面ライダーに登場しているらしい。
ゲルショッカー結成式が行われた展望台なんかもあったみたいだけど、知らなかったので思いっきりスル―してしまった。
仮面ライダーフリークにとっては行っとかなきゃ的なスポットみたい。


たくさんの技術や工夫が施されたこの要塞は、
関東大震災で石垣が崩れ、通路や兵舎が埋まってしまったり、
飛行機や長距離砲の技術が発達したことによって、結局実戦で使われることはなかったらしい。
砲台跡にそびえたつ太い樹木が、急速な時代の変化と、その変化に取り残されたこの島を象徴しているようですね。



要塞っていう響きがもうしびれるよね。
アルジェリアのムザブの谷に行きたくてたまらない。
谷間に出来た要塞都市ですよ。ロマンだなあ。

2011-08-25

[TRIP]戦艦三笠

2011.08.06


横須賀の三笠公園に保存してある戦艦三笠は、日露戦争の日本海海戦で司令官・東郷平八郎と共に、日本に歴史的勝利をもたらした鬼のようにかっこいい戦艦です。
今は資料館として残っているんだけど、甲板や展示室など見学できるところはたっぷり。
特に一番てっぺんの、東郷平八郎や秋山真之が立って指揮を執ったマスト下の甲板にはこんな印があって興奮します。


ロシアのバルチック艦隊を破った東郷平八郎、秋山真之のT字戦法はこの強固な戦艦三笠なくしては成り立たなかったとまで言われているそう。
この時代の軍艦は側面に多く砲台が並んでいるので、単縦陣で進行し、並列の陣形で砲撃し合う戦い方が主流だったらしい。
T字戦法とは、まっすぐ進む敵艦隊の進路を塞ぐよう直角に艦隊を配置し、砲撃する戦法。
縦に連なる敵艦隊の後続艦が遠くにいるうちに、こちらは全艦隊で砲撃できることから、この陣形につくことができれば圧倒的に有利な戦いになると言われていた。
ただ、相手もその対応陣形を熟知していたり、海戦では絶えず陣形が変化することから、実際にT字に入ることは不可能に近かったらしい。
それを可能にしたのが、かの有名な「トーゴーターン」!と、この戦艦「三笠」!なのです。

単縦陣で接近を図った両艦隊。
そのまま砲撃に入るかと思いきや、すれ違う寸前に思いっきり左に舵を切る三笠!
いきなり回頭した三笠に、バルチック艦隊は「トーゴーは気が狂ったのかと思った。勝利を確信した。」と話したそう。
直前で回頭するということは、敵艦隊に限りなく接近した状態にあるにもかかわらず、T字に入る間移動に注力することから、防衛体勢はとれないということ。
バルチック艦隊からすれば、打ち放題ということね。
リスクを負うことは分かっていたけれど、東郷と秋山は戦艦三笠の圧倒的に強固な艦体と、三笠に連なる俊足な味方戦艦たちを信じて、トーゴーターンに踏み切ったらしい。
全艦隊が回頭を完了するまで三笠は16発の砲弾を受けたそうな。
その間砲弾を浴び続けた三笠の甲板では、終始指揮を執る東郷平八郎の姿が確認されていて、この時点で亡くならなかったことが不思議だと言われているらしい。

こうしてT字に入ることに成功した日本軍は、約30分間の砲撃戦でバルチック艦隊戦艦の多くを沈めることに成功。
バルチック艦隊先頭にいたクニャージスヴォーロフは舵が故障し、北へ逃げるような形になった。
その回頭を逃げていると勘違いした東郷は、逃がすものかと第一艦隊を率いて後を追う。
これは、この海戦で東郷が下した唯一の誤った判断だった。
が、これが結果的に後の勝利につながっている。

「クニャージスヴォーロフを追え」という指令が出ていたが、これを第二艦隊の参謀・佐藤鉄太郎は舵の故障だと見破り、後続の戦艦たちに「我に続け」と指示を出し直し、バルチック艦隊本隊の逃亡を阻止。
東郷平八郎という絶対的な司令官の指示を、自らの目で判断し直し、最良な指令を出し直した佐藤鉄太郎なくしてこの勝利はなかったんだよ!
そして、その佐藤の判断を受け入れ、瞬時に指令を下した第二艦隊司令長・上村彦之丞の決断力と二人に信頼関係も素晴らしいね。

クニャージスヴォーロフの回頭が舵の故障だと気がついた東郷平八郎と第一艦隊は、バルチック艦隊本隊を捜索に戻る。
そこで、偶然バルチック艦隊本隊と鉢合わせ、東から追ってきた第二艦隊と思いがけず挟み撃ちする形になる!
なんと、図らずも別行動をとった東郷・秋山率いる第一艦隊と、上村・佐藤率いる第二艦隊それぞれの決断が、この決定的な陣形に自らを導いたってこと!
このときの艦隊運動を、ロシア軍は「日本の艦隊運動はまさに神のごとくであった」と語っているそうだよ。

こうしてそのあとも撃ち合ったりなんだりして、結果日本は最強のバルチック艦隊を沈めることに成功。
日本艦隊は秋山参謀、上村提督、佐藤参謀など適材が適所に配置され、それぞれが組織的に、有機的に、最善の決断を下すよう、よく教育されていたんだよね。
日露戦争の勝利は、この軍人たちと戦艦三笠なくしてはありえなかったということだ!感動!


だいぶはしょってダイジェストでお送りした日本海海戦ですが、わたしの曖昧な知識のつなぎ合わせで記述しているので、間違ってるところもたくさんあるかも。
でもこんなすごい人たちと、こんなすごい戦艦が戦って、勝利したということは事実です。
彼らの命を懸けた戦いに、ほんとうに心から感動したというわたしの気持ちが伝わればそれで良いです。
坂の上の雲を読み終わったら、もう一回三笠を観にいきたい!


Z旗「皇国ノ興廃、コノ一戦ニ在リ。各員一層奮励努力セヨ。」


2011-08-20

[EXHIBITION]今敏回顧展 千年の土産

2011.08.20@新宿眼科画廊
「今敏回顧展 千年の土産」












2011年8月24日、一周忌を迎える今敏監督の回顧展。
公開された映画の原画たちや、アニメーターとして活躍する前に描いていた漫画たち、学生時代の作品など、46年間に彼の脳みその中から溢れ出したイメージの欠片たち。

原画展がこんなにもわくわくするのは、あの映画たちが魔法のように突然現れたわけではなく、紙と鉛筆からスタートして、監督の意志と思いが命となって吹き込まれていったことがわかるから。
千年女優のイメージ画は、紙と鉛筆の時点で既に千代子が走り出しそうだ。
東京ゴッドファーザーズはゴミひとつすら丁寧に自らの手で描き上げてる。換気扇やゴミ袋、壊れたキーボードなど画に含まれる全てが、この作品に必要不可欠な要素であることがわかる。
イメージを自分の手で具現化し、制作できる監督は強い。

パーフェクトブルーは初監督作品だけあって、本当に時間をかけている。
コミックガイズ廃刊時に連載していた漫画OPUSの原稿に「正直アニメに集中できると思っちゃったし」的なことが書いてあった通り、本当に集中したんだろう。
DarrenAronovskyがパーフェクトブルーに強い影響を受けた事は有名な話らしい。
Requiem for a Dreamでは今敏へのオマージュとして、風呂場のシーンを真似て撮っているのだそう。
役に食われていく狂気という点ではBlackSwanにも多少影響を与えているのではないかと思う。
46歳という若さで亡くなった彼の作品が、海外でこんなにも高い評価を得ているのは不幸中の幸いというか。
天才は亡くなってから評価されることが多いけど、彼の場合は生前から多くの人に作品を観てもらう機会があって、愛されて、本当にそれだけは良かったと思う。

「夢みる機械」が公開に至ることを、心から願う。
MADHOUSEは今年の頭に日テレの子会社になってしまった。
経営的には随分と前からやばいと言われていたから、REDLINEを観たときによくぞここまでぶっとんだ作品を創ってて生き延びられてたなと思った。子会社化は必然だったんだと思う。
いま、「夢みる機械」の制作の進行度合いはあまり芳しくないらしい。
経営と制作内容のバランスを保つのは大変なことなのだろうけど、それでもこんなに愛されて、惜しまれて、本当に多くの人間が完成を望んでいる作品が、未完のまま葬られてしまうのは間違っていると思う。
「夢みる機械」が作品化されない日本のアニメ界に、未来はないと思うんだよ。
だってこの作品に公開の価値がないのなら、他のどの作品にそれがあるというわけ?と思ってしまう。
原画を見て、改めてこの作品を観てみたいと思った。

やはり、自分の大切にしたいものや人や才能には対価を払うべき。
文化はそういう風に思う一人ひとりの出資で守られていく。
いつも思ってはいるけど、こういう具体的なことがあるとそう強く感じる。

ということでやはり私は渡英前に千年女優を買おうと思う。
それは贅沢じゃなく、必要な出資ナノダ!


「夢みる機械」を劇場で観ることができるよう、心から祈る。
ありがとう、今敏!
------------------------------------------------------------
今敏回顧展 千年の土産
2011.08.12〜08.24
新宿眼科画廊 http://www.gankagarou.com/sche.html
http://www.gankagarou.com/sche/201108konsatoshi.html

読みたいと思った本:「ワールドアパートメントホラー」
※大友克人初実写監督作品を今敏が漫画化した作品
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063132412/tamagomagogoh-22/ref=nosim/

気軽に観れちゃう今敏:「オハヨウ」 
http://www.youtube.com/watch?v=nLQmfAak4VM

------------------------------------------------------------

2011-08-18

[FILM]Whatever works

2011.08.14
「Whatever works」













やーーー久々に映画観ながらこんなにケラケラ笑った!
全く飽きない90分。アイロニックにこちらに向かって話しかけてくるLarry Davidがたまらなくおかしい。ブラックユーモア満載。
タリバンも共産主義者もひどい言われようだけど、どちらもきっとこれを観たら笑ってしまう。
天才!Woody Allen!軽すぎる!

一応老人と小娘のラブコメで、一瞬すごく切なくなったりして、そっちに振るのか?と思いきや、絶妙なタイミングでコメディに戻してくる。
Larryは二度も自殺しちゃうし、ゲイだのなんだのって色々大変そうなのに、とにかく軽い!
なんとなく全体の流れは思い出せるけど、細かい部分とかはあんま思い出せない。きっともう一回観たくなっちゃう。
天才。WoodyAllenは天才。誰にでもオススメできます。

気になるのはWhatever works→人生万歳?っていうタイトル。
なにがあってもうまくいくぜどうにかなるぜっていうニュアンスが伝わりきるのか?私的にはどーにかしちゃおうぜっていう力技なニュアンスも含む気がするし。
人生万歳!がWhatever works!みたいにうまく人の心をキャッチできてるといいけど。

しかし、旅立ち前の私は今まさにWhatever works!って気持ちで、
もっというと
思いわずらうことなく愉しく生きよ!Whatever works!ってかんじだ。

------------------------------------------------------------
Whatever works
director:WOODY ALLEN
writer:WOODY ALLEN
cast:Larry David-Boris, Evan Rachel Wood-Melody
country:USA/France
http://jinsei-banzai.com/pc/

観たいと思った映画:「Annie Hall」※脚本はこの時代に書かれたものらしいです。
http://www.imdb.com/title/tt0075686/
------------------------------------------------------------

[BOOK]思いわずらうことなく愉しく生きよ

2011.08.10
「思いわずらうことなく愉しく生きよ」













育子の愛や人生について、ひたすら文字に起こしながら考察するところ。
治子のいちいち大きなリアクションや、一度こうだと思ったら自分自身すらも言いくるめてしまうところ。
麻子の心の弱さと、紙一重の強さ。

女性であれば3人の誰かしらに共感し、さらには全員のなにかしらの要素を自分も持ち合わせているように感じてしまう人も少なくはないんじゃないかな。
江國香織の、やたらとなんでもたらたら形容するところは全然好きになれないけど、女性の描き方の多様性はすごいね。
本を読んでいて自分の男性的な感情が多く引き出されているとき、私はあくまでも第三者として物語に引き込まれて、興奮したり、共感したりしている。
そしてだいたいの本は、まあもちろん自分の好みによる偏ったチョイスは大きな要因だと思うけど、男性的な目で読み進めることが多い。
江國香織の本は、読んでいると自分の女性的な面が多く引き出されていく感じがして落ち着かない。早く読み終わりたいと思う。
なんだか自分自身のことがたらたらと綴られ、公開されている気がして、恥ずかしくなってくる。
それが面白い理由でもあるのかもしれないけど。
三姉妹と家族の話っていうプロットが良かったのかもしれない。
少し忙しい気もするけど、視点が変わることによって気恥ずかしさが軽減されて、一人ひとりのお話というより、家族間のつながりみたいなところに気持ちが向く。

ブランのねえさんたちのお話を聞いてると、読んだことないけど彼女のエッセイは私も耐えられないだろうなと思う。
同じ人の書くものでも、どの作品のどの部分を好きになるかはわからないね。
キャラクターとやっぱりたらたらと形容する文章は好きじゃないけど、「冷静と情熱のあいだ」のイタリアの描写や順正の修復士という仕事、そして帰国子女のアイデンティティクライシス的な気持ちの書き方はすごく好きだし。

ただ映画は二時間で終わるから失敗できるけど、本は長い時間かけて読み進めなければいけないからさ、慎重に選びたくもなるよね。
これからも江國香織を読むかっつーのは微妙なところ。
でもただ、「思いわずらうことなく愉しく生きよ」っていうのは素晴らしい家訓であり、本のタイトルだね!

------------------------------------------------------------
思いわずらうことなく愉しく生きよ
writer:江國香織
country:Japan
http://www.amazon.co.jp/思いわずらうことなく愉しく生きよ-江國-香織/dp/4334924352
------------------------------------------------------------

2011-08-13

[MUSICAL]A CHORUS LINE

2011.08.04@赤坂ACTシアター
「A Chorus Line」

久々の生モノ!broadway musical!
去年劇団四季のA Chorus Line観たけど、これだけ音楽や台詞に慣れ親しんでしまっていると、もう日本語では気持ち悪くて消化できないって感じでした。
そしてこれだけ慣れ親しんでいるものだからこそ、broadway musicalにはもっとずっと期待を上回ってほしかったなというのが正直な感想。
今回はやや下回りくらい。
歌もダンスも特別大好き!みたいな人がいなかったのが残念。
映画でも舞台でも、私はシーラがいつも一番好きなんだけど、イマイチ。
強気だけど哀愁のある感じが好きなのに、なんか笑いの要素が多すぎて。
最後のシーンとかもっときゅーんとなるはずなのに。

A Chorus Lineを初めて観たのは映画で、高校1年生の時。
ダンスを始めた頃で、やる気に満ち溢れていて、映画を観てキラキラ興奮したのを覚えてます。
サントラをMP3に入れて、ひろみんに振りを入れてもらって、通学電車に乗りながら、何度も頭の中で踊ってた。
とにかくこの頃の自分にはパワーがあって、挑戦し続けるダンサーたちと自分をシンクロさせてた部分もあったと思う。














every little stepはA Chorus Lineのドキュメンタリー。
broadway musical 「A Chorus Line」に出演するためのオーディションの様子を追った、なんだか入れ子構造のようにもみえる映画。
これを観たのは専門1年の時。
クリエイティブからどんどん遠のいて、生活するのに精一杯になっていく自分を励ましてくれたのがこの映画でした。
いくつものオーディションを落ちて、それでも挑み続けるダンサーたちの姿を見て、本当に勇気づけられたのを覚えてる。
自分も、この世界にしがみついていかなきゃとも強く思った。
ここから就活と平行して、NAAMの企画を始める。











A Chorus Lineは、なんだか偶然だけどいつも人生の頑張り時に観ている作品。
今回このbroadway musicalを観て、私はロンドンへ旅立つ。
この先の人生で、私はあと何回これを観ることになるんだろう。
大切な作品なので、次は、というか何度でも期待以上のものを観たいと思ってしまう。

------------------------------------------------------------
A Chorus Line
director:Michael Bennett
music:Marvin Hamlisch
http://www.tbs.co.jp/act/event/chorusline2011/
------------------------------------------------------------


2011-08-12

[FILM]elephant

2011.07.30
「elephant」

2:37/Murali K Thalluriを観た。
19歳の監督が撮ったこの映画は、視点の転換や時間の交錯などの表現方法がelephantによく似ていて、とても刹那的で、言葉がトゲのように刺さってくる感じがした。
学校で事件が起こるまでの一日の流れを、登場人物の視点を変えながら追っていくという構成は全く同じ。
同じ時間、別の人物はどこで何をしていたか?というように視点となる人物がかわると、時間軸を戻してみせたり、カメラの位置を変えてみたりと、シーンの展開方法もとても似ている。
似ている点は本当にたくさんあるのに、作品が終わった時の印象の違いはなんだろう。

elephantには説明がない。
観る人によっては唐突だったり、物足りなく感じたりすると思う。
10代の孤独や、漠然とした不安を言葉ではなく、画で表現している。
深い空に流れる暗い雲だったり、広いグラウンドに佇む少女の姿だったり。また、全体を通して学校に人が少ないイメージもある。
事件は突然起こり、理由の説明もないまま終わる。
衝撃で息を止めたまま、エンドロールに入る。
たしか初めて観たのは高校生の時で、わーーーーーーお。と思ってるうちに終わった。
私たちは、彼らの思いや孤独を、想像するしかない。
一つひとつの画や、決して説明的ではない彼らの台詞たちを少しずつ思い起こし、気持ちの整理をしていく。
elephantに限らず、この過程が私はとても好きだと思う。
世界に呑み込まれて興奮した心を、ゆっくりと沈めて映画を消化していく時間は、その映画を自分のモノにしていっている感じがある。
五感を使う映画だったと思う。

2:37の対照的な点は、本編の合間に人物一人ひとりのインタビューを挟みながら、丁寧に言葉で語らせているところ。
素直に話せなかったり、自分でも抱えているこの気持ちがなんなのかわからなかったり、言葉にする事がとにかく苦手な10代の心を、深く理解して、多くの人の心に届きやすいよう、映像化されていると思う。
そしてそれは19歳であり、同じように同級生を亡くしたムラーリにしかできない、とてもシンプルだけど実は一番難しい表現だったんじゃないかと思う。
終わった時のすっきり感は圧倒的にムラーリだった。


作品はどちらも素晴らしかったです。
10代の頃の自分てとても不安定で、人生の事とか死の事とかなんとなくいつも考えていて、
天井がとっても高く思える夜があったり、このまま目的地を通り過ぎてどこかへ行ってしまいたいと思う朝が何度もあったり。
まだ大切な人を大切にできる程、自分に余裕もない。
そんな毎日の積み重ねで、大事件があったわけじゃないけど少しずつ変わって、いつの間にかここまで辿り着いてた。

どんな風に形にできるかはわからないけど、
あの頃のあの感じをこのまま忘れてしまうのは惜しすぎるよね。

------------------------------------------------------------
Elephant
director:Gus Van Sant
writer:Gus Van Sant
country:United States
http://www.imdb.com/title/tt0363589/

2:37
director:Murali K Thalluri
writer:Murali K Thalluri
country:Australia
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7630
------------------------------------------------------------