2014-04-17

子育てしながらクレイアニメ![2.ストーリーボード制作]

全体のおおまかな流れが決まったら、細かいカット割りに入ります。
今回は人形が踊るので、ダンスの振り作りをしてからカットを考えました。
雑ですが、ストーリーボードはこんな感じで書いています。



上から歌詞・カウント(振り付け用)・ショットサイズ・カメラの動き・振り付け・フレーム数 を記しています。
ダンスがあるので書く事がなんだかとても多くなってしまいました。
こんなに書くことがないときは無印の4コマノートを使ったりしていました。
スッキリしてて使いやすいです。
撮影はだんなさんに協力してもらって進めるので、イメージの共有という意味でも、思考の整理整頓という意味でもストーリーボードは必須です。。。大変だけど空いてる部分がないように、一曲分書いていきます。
これを書き終えるとだいたい人形がどういう動きをするのか、小道具はなにが必要か、など諸々が明確になってきます。

人形の撮影でいちばん大変なのは、人形の固定です。次に環境の維持かなあ(カメラ位置/角度、照明など)。
いちばん始めにカットを割っていくときは、なるべく撮影のストレスを軽減すること・すべてを固定しすぎて画に飽きがこないことのバランスを考えます。
夢を見すぎてもいけないし、見なさすぎてもいけないのが難しいところ。。。
せめぎあいですね。

2014-04-07

子育てしながらクレイアニメ![1.テーマ&構成]

この度の「クレイアニメをつくる」シリーズはこちらの作品を元に記していきます。



友人の結婚式用に制作したものです。
ちなみにこちらはクレイアニメ二作目ですが、一作目も自分たちの結婚式用に制作した生い立ちムービーだったので、脚本があるものは作っていません。
脚本に沿って制作するアニメーションとは勝手の違う点も多々あると思います。
次作は脚本書く予定。また違う壁にぶち当たるのだろうな〜と思いつつ、今回はとりあえずこちらのダンシングムービーを制作する過程をご紹介したいと思います。

今回のテーマは友人たちより「バナナ」とだけ頂いてました。
バナナ好きのちょっと風変わりなデザイナー夫婦が開く、おしゃれバナナ結婚式。。。
最初はEテレの「デザインあ」をイメージしたもっとニュートラルな映像にしようかと思ってました。デザイナーっぽく。
イントロのミニバナナが形を変えるシーンはその名残ですね。
細かい流れは覚えてませんが、バナナたちが二人の結婚式へ向かってひたすら行進→二人がバナナたちを引率しよう→一緒に踊りながら結婚式へみたいな感じでここにたどり着きました。
編集の技術は大してないので、間延びしない「デザインあ」は無理かなーって。。。地道な作業を頑張ることにしました。

なんとなーく方向性が定まってきたら曲探し。
オリジナルで音を付けられるようにならないと、いつまでたっても公に公開できないのですが。。。とりあえず今回は時間もないし内輪の結婚式ということで人様の音楽をお借りすることに。
楽しげな行進曲っぽいイメージで探していて、こちらのサキソフォビア&ドリームキッズの「パレード」に巡り会いました。
んで、曲に合わせて全体の流れをなんとなーく起承転結っぽい感じに。。。
今回でいうとこんな感じ:

INTRO→導入
VERSE1&CHORUS1→登場人物紹介
INTERLUDE→結婚式へ
VERSE2&CHORUS1→行進
BRIDGE→挙式
CHORUS3→フィナーレ

各場面に短いタイトルをつけると整理しやすいよね。

ということでテーマ&構成の決定まではこんな流れです。
完全に自己満足の覚書なので悪しからず。。。
脚本がある場合はここから脚本書き始めますが、ないのでここから振り付け作り&細かいカット割りに入っていきます。
んーーーーーーー大変だ!

2014-04-06

子育てしながらクレイアニメ![INTRODUCTION]

さて、約1年半ぶりにこのブログを更新してみようかと思います。
ロンドンで映画制作の勉強を終え、帰国→結婚→出産を経て、今は東京で1歳の娘を育てる25歳の母です。
映画が撮りたい!が、やはり娘を蔑ろにはできない。。。ともんもん悩んだ結果、自宅でクレイアニメに挑戦してみることにしました。
昔から興味はありましたが、知識も技術もゼロなので試行錯誤の連続でした。
色んな方のブログを拝見したり、本をめくってみたりしましたが、実用的な情報が少ないな〜というのが正直な印象だったので、どこかの誰かの助けになれるかも。。。?と思い、覚書も兼ねてこちらに記録しておくことにしました。
素人の完全なる自己流ですが、興味のある方はご覧頂けると幸いです。

書き記していく中でたくさん変更点はでてくると思いますが、とりあえずこんな感じの内容で少しずつ更新していきまーす。

1.テーマ&構成
2.ストーリーボード制作
3.人形制作ー芯
4.人形制作ー粘土
5.人形制作ー衣装
6.小道具制作
7.セット制作ー土台
8.セット制作ー背景
9.撮影準備ー香盤表
10.撮影準備ーカメラ&ライティングなど環境整備
11.撮影!
12.編集ーフォトショップで画像レタッチ
13.編集ー動画制作
14.オーサリングーDVD焼付け


果たしてちゃんと書き終わるかな?
頑張るぞー!では、今日はおやすみ!

2012-12-11

[FILM]希望の国

希望の国を観た。
この国に本当に希望なんてあるのか。
「一歩、一歩、」一歩どこへ向かえばいいのか。
絶望が果てしなく広がって、「愛があるから大丈夫」なんて思えなくなってしまった。
園子温はこの映画を見終わった日本人の心に何を残したかったのだろう。
直接的なエロさもグロさもないけど、希望の国は園子温作品の中で最も残酷に心を抉る作品だった。


更地を包み込むように積もる美しい雪がそこで起こった悲劇を覆い隠そうとしているようだと思った。
そのすぐ後に「いつまでもへこんでいても仕方ない!前を向いていきましょう!」という押し付けがましいセールスのようなトーンで根拠のない希望をまくしたてるキャスターのシーンを見て、現実で静かに確実に進行している問題を無理矢理過去の出来事にして覆い隠そうとしているのは他でもない日本人だと痛感する。
メディアも政治家も、何もできない国民も恥を知った方がいい。

わたしたちは目で見えるもの、わかりやすいものには大きく反応する。
特に日本人は批判に対する能力は長けている。総選挙関連の発言も批判が大半で、自身の信条を明言して進みたい方向を示すような発言は少ない。もっとも、それが難しいことだというのは肌で感じているけれど。
それでも批判能力に長けている日本人のくせに見えない放射能や溢れる情報に対応できないままなのは、なんて浅はかなんだろうと思わずにはいられない。
放射能が目に見えて、針のように空から絶え間なく降り注いでいたら正気ではいられないだろうに。それなのに何事もなかったかのように日常生活を送るわたしたちは、想像力の欠如と事なかれ主義の究極体なのではないかと思う。

「これは見えない戦争なの。弾もミサイルも見えないけど、そこいらじゅう飛び交っているの、見えない弾が!」

大切な人が一人でもいる人なら、これが最も正常な反応なのかもしれない。
お子を授かった今、わたしは福島には住めないと思うし正直東京がどんだけ安心なのかも怪しいもんだと思う。
日本は大好きだけど、逃げられるならわたしはこの国から逃げたい。



一方で、神楽坂恵演じるいずみは授かった赤ちゃんの命を守るため、目に見えるものに頼っていく。 ガイガーで数値を測り、ビニールで部屋を覆い、宇宙服みたいな防具で外気から身を守る。
先述の通り、大切な人がいる人ならこれが正常な反応なんだろうなと思う。
ただそれは本当に悲しい程微力で、一時的な抵抗でしかない。最後のシーンでは、響き渡るガイガーの音になんて脆いシェルターにすがっているんだろうと心が痛くなる。

国も、個人もこうしてその場しのぎの選択を積み重ねてきた結果がいまです。
わかりやすいものに手を伸ばして安易な安心を得ようとしてきたことは、日本人全員が背負うべき罪だと思います。
たくさんの政党が乱立していて、難しい言葉ばかり並べられていて、特に原発の問題に関しては果たして何人の政治家が理解しきっているのか疑わしい。そうなったらさいこーだよねと思うような綺麗なことばかりを唱える政治家もいるけど、実現できるのかはかなり怪しい。専門家ですら複数論議を展開する問題に対してわたしたちがどこまで正しく消化できるのかは、正直厳しいものがあると思います。
以前にFBでシェアしたムヒカ大統領のスピーチをもう一度シェアします。

リオ会議でもっとも衝撃的なスピーチ:ムヒカ大統領のスピーチ

力が及ばないにしても大切なのはその場限りではなく、根本的に問題と対峙すること。
自分の大切な人が安心して生きていられる世の中とはなんなのかと個々人が考えることだと思います。
「愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。」
わたしは景気が悪くても幸せな子どもを育てることはできると思うけど、放射能が降り注ぐ中で幸せな子どもを育てられるとは思えない。
抑える能力がないのならば、使うべきではない。と当たり前のことを声を大にして言いたい。当たり前のことなのに、忘れ去られていっていると感じるからです。
日本人の心は疲弊していると感じます。
もちろん全ての問題を解決してくれる政党がいたら超ラッキーだけど、そんな政党はいまのとこないように思えます。
人様の決断にどうこう言う権利はないけど、そういう状況で「景気回復」を最も重視する国民が多い現状がわたしは悲しい。
もちろんそれぞれの事情があることは確かなので、わたしが正しいとは決して思ってないけど、希望の国を観て全員が根本的な問題の解決を図るための自分の信条について考えるべきだと思います。
希望があるとしたら、そうした行動の先。
真に豊かに生きることができていると感じられた時だと思います。
ムヒカ大統領のスピーチも読んだらいいと思います。
ついでにこのぞっとする画像を。。。



長くなりましたが、今週の日曜日は選挙にいきましょう!ということで。
わたし選挙権ないけどー!

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希望の国
director:園子温
writer:園子温
cast:夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵
country:日本
http://www.kibounokuni.jp
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2012-09-30

Short Film 'ROGER' and Life

前回のブログ更新からまさかの半年経過。こんなはずでは。。。
4月頃から急激に忙しくなったのもありますが、人生の変化が目まぐるしくてついていくのに精一杯だったのです。
あれからミュージックビデオを2本作り、ちょっと働いたり、色々な作品をちょこちょこお手伝いしたり、合間に日本に帰ったりしていたら、まさかまさかお子を授かり、帰国が決まり、結婚が決まり。ばたばたとしている中、先日ようやく最後のショートフィルムの制作を終え、一年間通った学校を卒業したところです。うおー目まぐるしい!
現在妊娠5ヶ月。
15日の帰国に向けて、最後のロンドン生活を満喫しているところです。
ようやくこうしてゆっくりする時間ができて心から嬉しい。ビバ安静。

ぽっこりお腹を抱えて乗り越えた最後の作品制作には色んな思いが詰まっています。
検診に行って子供の姿を見る度、正直身体を犠牲にして作品制作に注力することに疑問を抱いたりもしたけど、完成させることができて本当に良かった。
これを完成させなかったらわたしはきっと、自分の留学生活に納得しないまま帰国して幸せな新生活で誤魔化してなんとなく流してしまっていたでしょう。
そんなかっこ悪いまま母にならずに済んで良かった。
学校で6分のショートフィルムつくっただけでなに言ってんだよと思われるかもしれませんが、わたしはやっぱり自分自身が納得していない人生は生きていないのと一緒だと思う。
柔軟に生きていこうと思う反面、24歳のわたしにはまだ曲げたくないというところがあるのも事実です。バランスって難しいね。
しかもだから所詮学生作品なんだけどさ!笑。
まあでもそこは相対ではなく絶対ということで。
とにかくいい一年の締めくくりと、これから始まる新生活に続く一歩になったと思います。支えてもらった多くの方に、心からありがとうを言いたい。ありがとう!

ここまで熱い思いを書いといてなんですが、ショートフィルム自体はフェスティバルに出すか検討中なので公開しません笑。代わりにトレーラーを載っけときます。見てね:D

今回もお話考えて、監督しました。
わたしは監督になりたいと主張し続けてきたから、最後には自然に監督任されるようになった。やりたいことっていうのは人に話しとくもんよね。
まあでもとにかく、んもーーーーーとにかく!!大変だった!
協力してくれた人たちと同じくらいの量の人に邪魔された!
イギリス好きの人たちには申し訳ないけど、とりあえずしばらくイギリスで映画は作りたくないっす。わたしはこの国で作品制作しかしていないと言っても過言ではないので、楽しい部分はほとんど見ていないと思うの。だから、イギリスがだいっきらい!そう、だいっきらいです!!!はーーーーーーーーすっっっっっっきり笑。

この一年間を絶対この先に繋げないとと焦って始めた留学生活だったけど、今はそういう焦燥感がなくなって、なにかしらの形では繋げていくだろうという不思議な自信もあります。母になっても映画つくりたい。
同じ人生の中で映画をつくりたくて、悠策くんと結婚したくて、子供が欲しくて、えそんなに詰め込めるの?っていう焦りもあったけど、いざ妊娠してしまうと良い意味でわたしはここからそれを実行してくのよという覚悟もできました。
人生が変化していけばつくりたいものも変わっていくだろうし、培ったものはなくなることもなくて豊かになっていくことは間違いがないから大丈夫。
しばらく子育てしながら脚本書きためて、ここじゃ!!と思ったときにつくり始められるようにがんばろうと思います。
不安もたくさんあるけど、幸せな人生になる予感しかしない!
たくさんの人に会って味わってきた挫折や達成感や、あほなイギリス人やまじかよっていう海外の珍体験や、色々な経験をおもしろおかしく話してやれる母になりたいと思います。

15日にロンドンを発ち、16日に東京に着きます。
帰ったらぜひ会ってください:)
ショートフィルムはそのうち公開できるといいなー。とりあえずトレーラー見てね。
残り二週間、ストレスフリーなロンドン生活を楽しみまーす!:D

2012-04-17

Terracotta Far East Film Festival 2012


とんとんとんとんとーーーーん!
と音が聞こえるくらいの急展開で参加することになったTerracotta Far East Film Festival。
刺激的すぎる、終始細胞が活性化しているような4日間でした。

Photo by Claire

ただのオーディエンスとして楽しみにしてたこの映画祭でしたが、突然の電話でビデオグラファーのお手伝いをすることになり、ロンドンにアジア映画を届けようと熱い活動を繰り広げるスタッフの方々と素敵な4日間を過ごすことができました。
ロンドンで豊田利晃と園子温が観られるなんて!
まだまだ小さいですが、ここにもマーケットは存在してるのです。
そしてそのマーケットを拡大しようと、ただただアジア映画が好きだ!という想いだけで活動しているイギリス人、アジア人がいます。日本人はいませんでした笑。
この映画祭はにちようび、華やかにその4年目を終えました。


16本のアジア映画、4人のゲスト、3つのマスタークラス、そして監督・役者・スタッフ・オーディエンスが混ざった自由なパーティー!
4年目のフェスティバルとは思えないくらい盛りだくさんなプログラム。
日本からは豊田利晃監督とでんでんさんがゲストとしていらっしゃいました。
ロンドンに来て半年になりますが、学校に映画の趣味が合う子は特にいないし、ましてや邦画を観ている子なんて会ったことなくて。ましてやましてや豊田利晃や園子温を知ってる子なんて。こんな風にイギリス人とアジア映画について話す日が来るなんて期待していなかったので、とにかく嬉しかった。
ロンドンの他の映画祭がどんな感じなのかはわかりませんが、この映画祭は本当に監督・役者・スタッフ・オーディエンスの距離が近い!という印象です。
パーティーではみんなでんでんと写真撮ったりしてました。

Photo by Yabukisan

わたしは中学生の頃に「青い春」を観て以来大好きな豊田さん会えて話せただけで、もうロンドン来てよかったーー!って感じでした笑。
映画祭3日目という体力的にピークな夜でしたが、誘ってもらって飲みにいってへろへろ!正直眠すぎてあんま覚えてませんが笑、幸せだったことだけ覚えてます。
一緒に飲みに連れてってもらった日本人の役者さんたち、フェスティバルプロデューサーさん、どう見ても麻原彰晃にしか見えないチャイニーズのガーフマンもとても愉快な方々で、最高な夜でした。

豊田さんとぱちり!

ガーフマン笑。でんでんさんが彼の顔をとても気に入って、描いた似顔絵が左のやつ。


映画は5本観ました。
中国映画や韓国映画に対するハードルが低くなったのもこの映画祭のおかげです。

My Way
director: Kang Je-kyu
casts: Joe Odagiri, Jang Dong-gun
country: South Korea

ひたすらオダギリジョーがかっこいいだけ!

One Mile Above
director: Du Jiayi
casts: Bryan Chang
country: China

雄大な自然が美しい。中国版Motor Cycle Diariesという感じ。

UFO in Her Eyes
director: Guo Xiaolu
casts: Shi Ke, Udo Kier
country: China

これ!期待してなかった分とても良かった。

Inseparable
director: Dayyan Eng
casts: Daniel Wu, Kevin Spacey
country: China

テンポの良い映画。ディテールが良いという印象。

HIMIZU
director: Sion Sono
casts: Shota Sometani, Fumi Nikaido, Denden
country: Japan

言葉が見つからない。そのうち別でブログ書きます。


こうして見ると中国映画が多かったのか。
というかお手伝いが決まる前からチケット予約して、一人で観に行く気満々で楽しみにしていた豊田監督のモンスターズクラブがまさかの豊田監督インタビュー撮影のせいで観られなかった笑。


Monster's Club
director: Toshiaki Toyoda
casts: Eita, Yosuke Kubozuka, Pyuupiru
country: Japan
日本では今週末公開です。観たい!


ヒミズについてはまた書きますが、心臓が揺さぶられました。
客席はほぼ満席。外人の反応が終始気になりましたが、オーディエンスアワードもとりました。


コクリコ坂からを抜いて一位だったのは内容的には当然だと思いますが、園子温がジブリという強大ブランドを倒したことが嬉しいね!
パーティーでの発表に喜ぶでんでん。

Copyright Kii Studios & Photography



なんだろう。
ここに集まった映画や人、昇華していくエネルギーみたいなものにとにかくやる気をかき立てられた4日間でした。
仕事的にはほんと大したこともできずに申し訳なかったんだけど、マイクとカメラを持ってそれこそ監督・役者・スタッフ・オーディエンスとこの映画祭に携わるすべての人と話す機会があったことが良かった。
撮影した映像たちはわたしをここに呼んでくれたMagnusがそのうち編集してくれると思うので、また載せます。空気が少しでも伝わるといいな。
映画が好きな人、映画をつくりたい人、フェスティバルを主催したい人、この先のロンドン生活できっと一緒になにかをつくり出せる人たちとのたくさんの出会いが、なにより大切な宝物になりました。
あしたからまた、頑張ります:)



2012-04-11

Dr Pepper, A Taste of Life



1月から始まったプロジェクトがようやく終わりましたーーー
約2ヶ月半かけた作品がやっっっっと終わるかと思うと、感慨深いです。
ほんと、やっっっっっっっっっっっとです笑。

この2ヶ月半で、本当にタフになりました。
元々タフじゃんて声が聞こえてくる気がしないでもないですが、自分の人生の中で最もサバイバル力が伸びた2ヶ月半でした。
これは決して目的ではないのですが笑、技術的なことよりなにより、「ロンドンで映像を撮ること」に対する力と自信がつきました。

一回目のミーティングの後、絶望的な状況に打ちひしがれ、革命を起こして自分の信念に基づいた制作をするか、学校のプロジェクトだと割り切って流れに乗っかり自主制作に専念するか、悩んで悩んでそして諦めかけた夜が本当に懐かしい。
同調してくれと言わんばかりに号泣するわたしの訴えに、しっかりしろって言ってくれた悠策くんの叱咤激励に心から感謝しています。
イタリア人とペルシャ人とルーマニア人とサウジアラビア人と日本人のわたしの5人で始めたプロジェクトは、いま放送してるコマーシャルパクろう!っていう方向に本当に最初進みかけたんです。
それは別にアイディアが浮かばないから苦渋の決断...という訳じゃなく、いまのコマーシャルかっこいいじゃーん!っていうノリです笑。
いま冷静になって考えればただのなんも考えてない集団なのですが、様子を伺っていたこの頃のわたしはこの子たちなりに何か考えがあるのかもしれないとか、コマーシャルは結構文化によってもアプローチが違うし、わたしの主張は間違ってるかもしれないとか思ったものです。ほんとかわいそうこの頃の自分。おつ。
そしてなにより、わたしはこの進みかけた話を引っくり返そうと思えるほど、自分の英語力に自信がなかった。
まあ当然いやいやオリジナルのめっちゃ面白いやつ作ればいいじゃんっていうところに落ち着いたわたしは、なぜこのまま進めたくないのかというお話と代案5案のストーリーボードを描いてなぜか自分のグループメンバー相手に大プレゼンをしました。
これがなければ、今頃は抜け殻のように生きていたと思います。
あの日の自分ありがとう。

いちばん最初に載っけたビデオが今回の作品です。
アイディア丸ごと使ってもらえました:)
彼ら好みのプロットを持っていったので、素晴らしい食いつきでした。結果みんな楽しんでくれたみたいで、わたしとしても満足です。
いい雰囲気の中で自分の作りたい作品をつくるっていう目的は達成されたと思います。
もはや面白いのか自分じゃわかんないんだけど笑、どうでしょう?
こっちのブラックコメディー的な感じで考えたつもりなんですが笑。
ドクターペッパーらしい作品がつくりたかったんです。
内容に関しては、普段自分一人じゃ絶対やらないことをやる機会になったので良かったです。と共に、ああ精進せねばと思いました笑。

結局プロジェクト通してプレゼン、プロポーザルの提出、ロケハン、料金交渉、役者集め、小道具集め、スケジューリング、機材準備などなど面倒なことは一切やらない外人たちなので、この時立ち上がらなければ、どうでもいい作品の雑用を一手にわたしが引き受けるはめになっていたということです。おっそろしい.......
ほんとにほんとに、仕事をしない仲間たちにも呆れたけど、せめて自分が本当に作りたいもののために頑張る2ヶ月半になって良かった。
こいつらまじでなんもしません笑。この話はただの愚痴になるのでやめます笑。
とりあえず、最初から最後までで全員集まったのはわたしが革命を起こしたミーティングだけ!待ち合わせしても2人来ればいい方だし、連絡もとれないことばかりでした。仕事を任せるなんて絶対絶対できません。
けどわたしは一通り経験できたので良かった。
臆せず役所に電話して撮影許可もらったり、交渉したりできるようになったことが地味に大きいです笑。英語に自信がついたわけじゃないけど、伝えたいことをうまく伝える術を学べた気がします。
これからのロンドンでの制作に大いに役立つでしょう。
なにも恐れずに一人で動けるようになったことが、このプロジェクト一番の収穫です。


信じられるのは自分だけです。
ずいぶん悲しい聞こえ方になりますが笑、ロンドンで成功している人の多くは結局その人自身が個として才能と行動力とやる気に満ち溢れているということです。
この街では本当に、待っていても何も起きない。
誰かがやってくれることなんて絶対にないと思わないと。
その誰かが自分なんだという自覚が不可欠です。
常に自分が全て請け負うんだという覚悟がないと、予想外の出来事にいちいち怯んでいたら全然前に進めないんです。ほんとに、ほんとにです。

日本に帰ったらまたそれはそれで違う困難に襲われるのだろうけど。
それでも人が時間通りに集まったり、お願いしたことがあがってきたり、そんな当たり前のことにとても幸せを感じて、感謝するようになると思います。
当たり前の積み重ねが信頼を生み、作品を育み、次へと繋がっていくのだと強く思います。
あー日本に帰りたい笑。
でもわたしは、もう少しここでやってやります。
これは当たり前のことをこなせるようになった小さな小さな一歩。
次は制作の面で、でっかい一歩を踏み出せるようにがんばりまーーーーーーす。