2012-02-28

SAE London

10月からSAE Londonという学校に通っています。
最近おしゃれ化してきているという噂のロンドン東側Haggerstonというとこにある校舎は、めっちゃ小さい縦長のただのビルです。
教室がいくつかと、レコーディングスタジオがいくつかと、グリーンスクリーンと、ほんと小さな小さな学校です。
わたしのクラスはたまたまとても人数が多いらしく、30人くらいいます。
が、平均は10人程度。小さい!
人数が多かったのは色んな人としゃべれて良かったなーと思いますが、女の子は3人。
毎日くさい男の子たちに囲まれて授業受けるの結構しんどいです笑。

半分より多いくらいがイギリス人。残りは結構多国籍です。
1月から一緒に制作してるグループはイタリア人、ルーマニア人、ペルシャ人、サウジアラビア人とわたし。
いちばん仲良くしてるのはアメリカ人の女の子とコロンビア人のジェントルマン。
最近ようやくまんべんなくみんなと話すようになったけど、イギリス人の冷たさに最初は心折れました。
彼らは英語のできない人たちと話すことに慣れてないから、わたしがちょっとでもつっかかると聞いてくれないし、かぶせてしゃべってくる。ほんとに話したいことはばーーーーっと言っちゃわないと、受け入れられません。
イギリス人は現地の高校卒業したての子が多いので、必然的に若くなるのも理由かも。
思ったよりも全体の年齢は若いです。私より上なのは8人くらいかな?
下は17歳、上は50歳。40代も2人、30代も2人。ま、みんな見た目は年齢不詳ですが。
現地の子達はなんとなく映画かっちょいー☆みたいなテンションで入ってるので、ハリウッド!!みたいな作品がお好み。
アクション系やゾンビ系など。正直、映画の趣味は全く合いません。
までも自分一人じゃ絶対つくらないようなものをつくるきっかけにはなるのでいいかなーと思ってます。
今はブラックコメディーっぽい感じのコマーシャルをつくってます。楽しいです。

コースはFilmmakingというおおざっぱな感じです。
わたしは監督志望の人が多いのかなと思っていたけど、定まってない人がほとんど。
実際授業も脚本、演出、撮影、照明、音響、編集と全体的に色々やるのでこれから専門分野を絞っていく人も多いみたい。
基本的には一人で映画をつくれるようになることが目的のコースです。
つって、本気のやつが果たして何人いるのかは疑問。
スローで自由なロンドンでは、うちの学校に限らず意志を強くもたないと流されて終了です。
授業に全然こないやつも結構いるし、来てもなーんもしてないやつもたくさんいます。
午前の授業に二人しかいないこともありました。ほんと、ふざけています。
のわりにプライドが高くて、成績はとりたがりです。ほんと、ほんと、よくわからん。

学校もだいぶ適当でこまったちゃんですが、実践的ではあるのかなと思います。
毎日の授業の他に、モジュール毎に授業外の時間で制作した作品を1つ提出します。
一年は4モジュールに分かれていて、それぞれVisualNarrative(静止画を編集した1分作品)・コマーシャル・ミュージックビデオ・ショートフィルムを制作して提出します。
授業内でもエクササイズ的に作品を撮ったりします。
最初のVisual Narrative以外はすべてグループワークです。これが.....ほんとにしんどい。
このしんどさについて語り始めたらものすごい量になりそうだし、爆発しそうなのでやめときますが、毎日ほんと孤軍奮闘という感じです。
人生の色んなタイミングで色んな人たちと色んな役割で作品をつくってきたけど、こんなに辛くて大変なことなかったです。
が、これを全て乗り越えたときにわたしは最強の女になって帰国できると思うので、とにかく今は全てが自分の力になると信じて突き進んでいます。
成長期の男子のごとく、毎日成長している音が聞こえてくるくらい自分が変化していくのもわかります。
目指せ、鋼鉄の女!!!という感じです。


これからちょいちょい学校のことアップしてこーとおもいます:)
もう少ししたら作品もアップします。
ちなみにうちの学校はプライベートスクールっぽい感じなので、全然日本のエージェンシーに登録されてません。自力で探して、資料請求して受験しました。
もし、もしもしですが、困ってる人がいたらご協力します笑。情報がなさすぎて、受験するのすごく大変だったから...
他の映画学校行ったことないからわからないけど、そーんなに悪くはないんじゃないかなって思いますうちの学校。

グリーンスクリーン!

演出の授業。目を閉じながら歩いて、五感を研ぎ澄まそう!的な感じ笑。

照明の授業。スリーポイントライティング!

ドリーの試験。三脚とカメラを固定して、平行に移動するあれです。

2012-02-10

[FILM]LONDON CINEMA

無職の学生は、なるべく家で映画を観るようにしています。
プロジェクターで真っ白の壁にうつして観てるのでそれなりですが、やっぱり映画は映画館で観るものだよね。
真っ暗な空間で、爆音で観る映画は格別。
そしてその時間をたくさんの人と共有しているかと思うと、それもまたいいよね。
映画はひとりでも楽しめるけど、知ってる人や知らない人と楽しんだ方がずっと心に刻まれる感じがして良いです。
芸術も文化も歴史も人も、それ単体で楽しむよりも、自分にしかできない方法でタイミングで繋げて呑み込む方がずっと楽しい。
ロンドンではそんなに多くの映画館に行ってるわけじゃないけど、良かったな〜と思うのをいくつかご紹介します。


2012/02/03 「The Artist」@Coronet Cinema
ノッティングヒルのコロネシネマは1898年に劇場としてオープンした老舗の映画館です。
駅を出てすぐに目に入る美しい外観は、まさにノッティングヒルの象徴!
1923年に劇場としての働きを終えて、完全に映画館として営業をするようになってからも内装はそのまま残したんだって。

座席の構成も劇場そのまま!もはや映画を観に来たのかなんなのかわかんなくなりそうだよね。
お値段もリーズナブルで、なんと火曜日は£3.5で観れちゃう!
いまは外壁の工事中でばさーっと隠れちゃってるから、写真はオフィシャルサイトから。
雰囲気のある映画館で、訪れるだけでほんのり心が満たされます。
わたしはここで、「The Artist」を観ました。
先日ゴールデングローブ賞をとったモノクロ&サイレントのフランス映画です。
無声映画からトーキーへと時代が移り変わって行く中で、葛藤する無声映画俳優のおはなし。
シンプルで素敵な映画でした。
時代が動いているときってたくさんの興奮や哀愁が入り交じっていて、それだけで美しい。
正直モノクロ&サイレントの目新しさが大分騒がれている要因になっているんじゃないかと思ったけど、クラシカルなスタイルはやっぱ普遍的に人の心をつかむよね。
変化に逆行して残っていくもの、人、スタイルっていうのは相応の理由があるよなと、コロネシネマでモノクロ&サイレントのアーティストに描かれた時代に翻弄される人間を観て思いました。
日本では4月公開だそうです。映画館で観た方がよい映画だとおもいまーす!お時間あればぜひ。


2012/02/09 「Salome」@Southbank Centre Queen Elizabeth Hall
Southbank Centreはテムズ川沿いにある映画やコンサートやダンスや詩など幅広く芸術を扱う複合施設です。
ロンドン初映画で、ロンドン映画祭の作品を観に来たのもここでした。
今度のロケ地もここの管轄の教会で、これからも色々とお世話になりそうな予感。
こんなに大々的な芸術支援施設って日本にあるのかなー。さすがロンドンと思いました。

Salomeは聖書などに登場するパレスチナの領主ヘロデの娘サロメを元にして描いた、1923年のモノクロ&サイレント映画。
今回Southbank Centreでは、この映画に音楽の生演奏をつけて上映していました。
真ん中にスクリーンがあって、四方に楽器スペースが設置されてます。
ドラム、タンバリン、カスタネット、ジャンベ、チベットのシンギングボウルなどの楽器でエキゾチックな感じの音をイケメンたちが奏でます。
劇場に入った瞬間にお香のにおいもして、なんだかすごく五感を刺激される空間でした。
映画自体もアメリカ映画の芸術レベルを向上させたいと美術監督・衣装デザイナーのNatacha Rambovaが手掛けた作品だけあって、モノクロなのに目を引くセットや衣装がすごく印象的。

サロメの頭やばい笑。きらきら。

この衣装すごく綺麗だった!モノクロに映えるよね。

この幅広コートも渋めでよかったです。

最後は孔雀ヘッド!んーーー衣装メインといっても過言ではない!
約90年たった今でも映画そのものに十分見応えがあるし、それに音楽とニオイをつけてやっちゃおうっていうのは素晴らしい心意気だと思います。
戯曲さの残る映画なので、映像に生演奏が付け足されたというよりも、生演奏が映像のナマモノ要素を引き出しているように見えました。

んー贅沢な時間でした。これがなんと£6!
ロンドンアートの一番のすごさはその値段ではないかしらと本気で思う。
それにしても、こんな風に映画を観せてくれるところが当たり前のように存在しているなんて!
五感で作品を楽しむ場所を提供するというのはわたしの夢です。
ロンドンに先を越されつつあります。がんばらな!


2011/10/14 「Shaun of the Dead」@Gallery Cafe
最後はロンドン来たばかりの頃に行ったベスナルグリーンのギャラリーカフェ!
毎月テーマを設けて、毎木曜日に上映会をしています。
10月のテーマはハロウィンで、会場もなんとなくハロウィンな空気。
カフェスペースの奥の扉から外にでて、庭っぽいところを越えてまた扉に入ると会場の教会にたどり着きます。
なんだか秘密基地っぽい感じですでに楽しい。
フリーのポップコーンと、カフェで頼んだホットチョコレートを飲みながら上映開始。
ソファや椅子がランダムに並べられて、周りからたくさん笑い声が聞こえる感じがホームシアターっぽくていい:)
終わったあとには映画のクイズ大会!観てればわかる簡単な問題ばかりだけど、勝ったグループにはシャンパンが!
手作りの登場キャラクターの名札が配られたりして、とてもアットホーム。
こちら名札をつけてポップコーンを食べるあやのさんちのくわみさん。
ロンドン来たばかりでこんなふうに映画を観られてとっても励まされたし、そうそう映画ってこんな感じに観るものよね〜!と思いました。
知らない人たちとだけど、みんなでごろごろ観る映画楽しかったな。
ギャラリーカフェはごはんもおいしいし、一人で長居しやすいので大好きです。
ミニライブみたいなのもやってるみたいだし、映画も毎週やってるし、そのうちまたふらっと行こうと思います。


ロンドンに来て約5ヶ月。
少しずつお気に入りの場所が増えてきていて幸せです。
最近は雪が降ったり積もったり、暗くて寒くて大変だけど。
はやく春になって外でごろごろしたりできるといいなーん。
日本も寒そうだけど。みなさんお元気ですかー?:)